眩しい人 ページ30
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A「ふふ、ふふふ。」
私は今テレビを見て一人で笑っている。
今日のラビットは舘様。
舘様ワールド全開でスタジオが笑いに包まれる。
面白くてずっと見ていられる。
舘様は変わった。
昔はあまり前に出ることはなく後ろで微笑んでいたことが多かったけど、今ではこうやってカメラ前で生き生きしている。
かっこいいし、正直羨ましい。
私はいつまでもクールキャラで変わらない。
これが本当の私なのかな。
このままでいいのかな…。
しばらく考え込みながら過ごしていると出発の時間が迫っていた。
A「あ、行かなきゃ。」
私はYouTubeの撮影のため事務所へと向かった。
集合場所に行くと先に舘様がいた。
A「おはよう。舘様、今日のラビットすごい良かったよ。」
宮舘「おはようA。ありがとう。」
A「ね、舘様。」
宮舘「何？」
A「舘様はだんだん輝きが増してるよね。たまにすごく眩しく感じる。」
褒めてる。褒めてるはずなのに、舘様の目が見れない。
宮舘「A。」
A「何？」
宮舘「こっち向いて。」
舘様に言われて舘様の目を見る。
宮舘「俺からしたらAも十分眩しいよ。」
A「そう、かな？」
私なんて、という言葉が出そうになったがぐっと飲み込む。
舘様は私の弱い部分を見るといつも悲しそうな顔をするから。
宮舘「前に歌番組でAがアクロバットしたの覚えてる？あれ、すごい話題になったよね。」
A「…覚えてる。」
私がテンション上がってしたやつだ。
一部アンチもあって、あれ以来アドリブでのアクロバットはしていない。
宮舘「あの時のA、すごく輝いていたよ。誰よりもね。」
A「…ほんと？」
宮舘「うん。本当。自信持って。」
舘様の目に嘘はない。
本当に真っすぐ真剣に言ってくれるので私は思わず目線をそらした。
宮舘「ねぇ、なんでこっち見てくれないの？」
A「…恥ずかしいからです。」
宮舘「なんで？」
A「なんでもです。」
恥ずかしがっている私に「よ〜しよし。」なんて効果音をつけて子供のように頭を撫でてくる。
A「舘様って視線だけで人を惚れさせそうだよね。」
宮舘「ん？俺のこと好きになったってこと？」
A「違います。」
舘様渾身のボケが来たのでツッコんどいた。
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作者名：迷子のフクロウ | 作成日時：2022年12月17日 20時
