モンブラン ページ15
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最近メンバーの中で一番多忙を極めているのがめめだ。
もう間もなくめめ主演のドラマが始まる。
プライベートでも手話の勉強をしてたり、楽屋でも集中して台本を読んでいる姿をよく見かける。
頑張っているめめのために今日は差し入れを用意して仕事に向かった。
A「普段頑張ってるみんなに不二家さんのケーキです。」
全員「「「うわ〜!!」」」
ラウ「え?今日なんかのお祝い事?」
A「今日は午前中オフだったから。たまには差し入れでもしようかなって。」
深澤「うわっ!うちの子最高かよ!!」
A「好きなのどうぞ。」
みんながどれにしようか選んでいる中、どうやら集中しているめめはこの状況に気付いていないらしい。
私はみんなの手がケーキに伸びる前にスッとモンブランを取った。
阿部「あれ?Aはいつもショートケーキかチョコケーキじゃん。今日はそういう気分なの?」
A「あの子の。」
そう言ってめめを指さすと「あ〜!」と納得する阿部ちゃん。
そのまま私はめめの元に向かった。
A「めめ、あげる。」
目黒「え?モンブラン?」
A「そう、差し入れだよ。」
目黒「まじ?誰から?」
A「私から。」
目黒「まじ!?」
一瞬で目をキラキラさせるめめの顔はやっぱりアイドルだなぁと感心する。
フォークを渡してあげると美味しそうに食べ始めた。
A「おいしい?」
目黒「うまい!」
A「さすが不二家さん。」
目黒「それもそうだけどAが買ってきてくれたから倍おいしい。」
そう真剣に伝えてくれるから思わず笑みがこぼれる。
モンブラン一つでこんなに喜んでくれるなんて買った甲斐があったな。
目黒「もしかして俺のため?」
A「さあどうでしょう。」
笑いながらはぐらかすと少し拗ねたような表情をするめめ。
目黒「口開けて。」
A「ん?」
目黒「ほら。」
これはあーんってことなのかな?
めめに言われるまま口を開けるとモンブランをあーんしてくれた。
A「おいしい。」
目黒「でしょ?」
A「めめが食べさせてくれたから倍おいしいよ。」
目黒「なっ!!」
そういうと顔を赤く染めるめめ。
年上をからかうとこうなるんだよ。
そう心の中で思いながらモンブランを堪能した。
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作者名:迷子のフクロウ | 作成日時:2022年12月17日 20時