不安 ページ28
「それ…何か言っちゃいけない理由でもあるの?」
「ああ。その、色々とよくねえ事が起こるんだ。マジ厄介。俺の推測だけどそれが起こる時にお前はループしてるんじゃねえか?」
「え、そうなの?それあんた…何回死んでるわけ?」
「そりゃあ、まあ色々あったからな!最近は怖いくらい平和だけどな。たまに凄いくらい戻る時あっただろ?そんときゃ地獄だったぜ、全く」
絶句した。私は少なくとも10回くらい、否それ以上ループを経験した事がある。
私はただ急に戻って時が戻るだけ。
スバルは死んでいた。人生で1度しかないはずの死の経験を繰り返していた。
「…正直私言い方悪いけどさ、スバルのせいだと知った時怒ってやろうと思った。でもそんな事出来ない。
辛かったよね。今更こんな言葉投げかけても遅いけど。
私、これからはスバルが死なないようにさせる。友達がそんなに死に続けてる事実を無視したくない。
…ていっても、死なないようにするーとか何すればいいかわかんないけど」
「な、なんかすげえ嬉しいんだけど。お前に何か言われて嬉しかったことあんま無いからなんか照れる」
「は?」
____
「結構時間経っちまった!夕飯までの時間にまた空き時間ありそうだからさ、そんときまた話そうぜ!じゃあな!」
と言い、部屋へと戻っていったスバルを見送り私は1人縁側に座っていた。
衝撃の事実だった。まさか死んでいただなんて。しかも異世界転生当日にもループがあったんだ、あの時も?
「この世界、意外とおっかないんじゃ...?それか王都がおっかない場所?」
スバルは私とは違い、王都に転生したらしい。
周りには誰にも居なかったはずなのに死に戻りが言えないだなんて。
「ったくどんな状況なのよ。まさか神様に見られてるとか言うんじゃないでしょうね?」
その時背後からふと声がした。
「すみません、部屋の案内は可能でしょうか」
「あ、可能です!王都の騎士様でしょうか?」
「ええ、僕はそういう立場ですよ。従業員の方とお見受けしますが、王選候補者の部屋は把握していますか?」
「勿論です!あの…私ユリウスさんの友人のあなたと申します。今、ユリウスさんのお時間が空いているか確認して頂く事は可能ですか?」
「ユリウスの?あなた…ああ!聞いた事があると思ったらご友人でしたか。今から各候補者の方の集まりがある為、少し難しいかもしれません。ご期待に添えず、すみません。」
随分悲しそうな顔をする彼はそう言った。
28人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆめか(プロフ) - リリィなモモさん» コメント気づきませんでした(ToT)ありがとうございます!ゆっくりですが更新お待ちください! (2022年5月25日 13時) (レス) id: 4e65cc4844 (このIDを非表示/違反報告)
リリィなモモ(プロフ) - 更新待ってました〜! (2022年5月22日 13時) (レス) id: e604e437d5 (このIDを非表示/違反報告)
リリィなモモ(プロフ) - 面白いです! (2022年5月17日 2時) (レス) @page16 id: e604e437d5 (このIDを非表示/違反報告)
ふるてぁ(プロフ) - みかんじゅ〜すさん» ありがとうございます! 転生場所を変える工夫がコメ主さんに響いて良かったです! (2021年7月17日 18時) (レス) id: 6cf9aca7da (このIDを非表示/違反報告)
みかんじゅ〜す(プロフ) - おぉ、おお!!めっちゃ好きです!(((こういう一緒に転生してきた系の小説だとスバル達と一緒のことが多いので、新しい感じです!!(?) (2021年7月9日 16時) (レス) id: 30ce22080f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ゆめか | 作成日時:2021年6月15日 19時