プロローグ ページ1
「今日はモンスターとグミ欲しい!となると......ピンクがいいかなぁ。」
モンスターを買う事が少し前までためらっていた事に驚きを隠せない。
それが悪い飲み物と結論づけていた私は馬鹿である。
「買えた!夜だし、女の子一人なんて危ないもんね!早く帰ろ!」
もうかなり暗くなってきたところだ。早く帰らないと。 周りにも前に男性が一人いるだけだ。
男性といっても小柄で同い年くらいに見えるが....見えるが???
「あれ!?スバル!?!」
髪型が幼馴染とそっくりな男性が前にいる。
中学校まで一緒で、高校で分かれてしまったけれど、少し連絡を取るくらいの仲のナツキスバル。会うのは何年ぶりだろうか。
「スバル! ーースバル?」
何かがおかしい。声が全く聞こえてないような。
もし彼がスバルでなくても、後方から声が聞こえたら普通は振り向くであろう。私は駆け寄り、肩をたたいた。
「ねえ.....え?」
スバルの肩をたたいた瞬間、一瞬で周りがモヤに染まった。
誰も周りにいない。これは一体どうした事か。
モヤはずっと蠢いており、真っ黒だ。私がこの空間に入ってしまったのか、この空間が今ここに現れたのか。
何の変化も起きず、このまま過ごすんだろうか。
そう思ったが、変化は起きた。
モヤの奥の方から手の形ような影が、ゆっくりとこちらに向かってきたのだ。
「手...?ちょ何これ。掴まれる...?」
それは段々形を現すようにこちらへ向かってきた。ゆっくりと、ゆっくりと。
黒い指先は遮るものがないかのように、するりと私の胸へ忍び込む。そして、はっきりとその指先が内臓を撫でる感覚が私にはわかった。
これは死ぬかもしれない。
命の危機を感じた時。その手は私をすり抜けそのまま消えていった。
一体、何が起こったのであろう。
モヤは一瞬にして消え、私の視界は太陽の光でいっぱいだ。
太陽の光?いやいや、これは電柱の照明だ。だって今は夜なんだから。
「それにしても明るすぎるな。まさか時が流れたなんて...?」
私は状況が読み込めず、一時停止をくらった。
視界には沢山の人。
大きな橋が目の前に繋がり、水が流れ、建物が横にいつまでも連なっている。
馬車のような乗り物が(怪物だが。)道をすばやく横断する。
この街は何だ。
少なくとも「今までいた世界」ではない事が私でもわかるのだ。
「つまりこれって....異世界召喚?」
そんな夢のような事態を私はやっと理解したのだ。
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ゆめか(プロフ) - リリィなモモさん» コメント気づきませんでした(ToT)ありがとうございます!ゆっくりですが更新お待ちください! (2022年5月25日 13時) (レス) id: 4e65cc4844 (このIDを非表示/違反報告)
リリィなモモ(プロフ) - 更新待ってました〜! (2022年5月22日 13時) (レス) id: e604e437d5 (このIDを非表示/違反報告)
リリィなモモ(プロフ) - 面白いです! (2022年5月17日 2時) (レス) @page16 id: e604e437d5 (このIDを非表示/違反報告)
ふるてぁ(プロフ) - みかんじゅ〜すさん» ありがとうございます! 転生場所を変える工夫がコメ主さんに響いて良かったです! (2021年7月17日 18時) (レス) id: 6cf9aca7da (このIDを非表示/違反報告)
みかんじゅ〜す(プロフ) - おぉ、おお!!めっちゃ好きです!(((こういう一緒に転生してきた系の小説だとスバル達と一緒のことが多いので、新しい感じです!!(?) (2021年7月9日 16時) (レス) id: 30ce22080f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆめか | 作成日時:2021年6月15日 19時