文豪たちに追われてるんだけど、どうしたらいい？

知らない人には注意して！ ページ15

『…よし、脱出！！』




なんとかデパートを出て次に向かうのは人気のない場所。


私、九条 伊織は学びました。


人が多いところは逃げにくい、と‼


さっき死にかけて気づいたんだけど、この追いかけっこはよく考えたら細かいルールなんて何も決めてないんだよね。

異能力禁止とかも無かったし、隠れるのも禁止されなかった。


横浜から出なけりゃいいだけなんだ。


それなら、人がいないところに行って捕まりそうになったら異能力をぶっ放せばいい！


自慢じゃないけど私の異能力は結構強力だ。



雷の応用で自分自身に電流を流して筋肉を刺激して一時的に運動能力を上げることもできるし、本気を出せば稲妻程度の電流を放つこともできる。



この際人に向けて異能力を放つことへの罪悪感は無視することにした。



だって相手はマフィアとかだよ？


一般人の足をもぎ取ろうとする(前話参照)ヤツらだよ？



本気でいかないとこっちが先にやられちゃう。




…というわけで。




『ん〜……見事な竹林』



森の奥深くまでやってきました。

熊出そうやだ怖い。



静かな森に入ると、なんだか自分がちっぽけで孤独な気がしてきた。




『…それにしても、なんでこんなことになっちゃったんだろう』



ポツリと呟いて空を見上げる。

清々しいまでに青い空が今は恨めしい。




『あーあ。平凡に暮らしたいってそんなに難しいことなのかなぁ』


中也「なんなら俺がお前を引き取ってもいいんだぜ？」




『ぎゃあああああ！！！！』



中也「色気のねぇ叫び声だなァ、伊織」




そりゃ目の前に逆さまにぶら下がった人間がいたら誰でも叫ぶでしょ！！

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