【ブラッククローバー】近くて遠い【フィンラル】

16.偶然 ページ17

やっとの思いで路地裏から抜け出す。

後ろから騒がしい足音と大声が飛んできた



『路地裏がこんなに治安の悪い所なんて知らなかった…!!』



私が住んでた平界にはこんな所無かった。

たった今、世界の恐ろしさを知ったよ…未だに震えが止まらない



『集合場所に行こう…散策はもういいから…』


「うわっ!?」


『ひゃあ!!す、すいません…!』


「大丈夫?ケガはないっ!?」



人ゴミの間を縫って走っていると、誰かとぶつかってしまった

自分の勢いに負けて尻餅をついた残念な私に手を差し伸べてくれた人を見やる。

…その人は、最近知り合ったばかりのフィンラルさんだった



「あ、Aちゃん?!」


『フィンラルさん!!フィンラルさんも来てたんですね』


「ああ、うん!まぁね!」


「(女のコをナンパしに来たなんて言えねえ…)」



チャラチャラしてるから、ナンパでもしに来たんだろうな…うん。ナンパねえ…

さっきの人達と同じ類いだとは思いたくないな…



「そういえば、買い出しはもう済んだの?」


『はい。なので、これから待ち合わせの場所へ行くんです』


「そっか、気を付けて帰ってね。人の多い場所には、質の悪い輩が沢山いるから」


『…ええ、ありがとうございます。では!』



ああ、彼は優しい人だ。見かけで判断しちゃいけないな。

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