それでも明日は ＊3＊

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起きたら生翔太がいたことも良い思い出だ。

でも流石にシングルベッドは無理だと思って、
引越す前に家具屋できちんとセミダブルを2つ買った。
ダブルと悩んだが、くっ付けることを考えてセミダブル。

寝室はベッドと、ある程度の小物で埋まった。

まあお陰で男2人の安眠は保たれたので良いとする。
(時々なぜかラウが俺のところに潜り込んできて、
朝になったらなぜか俺が床で寝ているのはご愛嬌)



「ふっかさん」

「ん、なあに」

「康二くん、大丈夫かな」

「康二はラウを心配してたよ。
ラウが元気になったら喜ぶよ、それだけ」

「...そっ、か」



きっと悲しませたとか、迷惑かけたとか
そんなふうに思っているんだろうけど。



「ほら、黙って、目閉じときなさい」

「...はぁい」



体は正直なのか、ものの10分程で寝息が聞こえる。
飯も食えずに、食えば吐いてたら
そりゃあ体力も根こそぎ持ってかれるだろう。

明日の撮影はスタジオ近くの公園だと聞いた。

まだ気温は高いままだと聞いた。
ただ有難いことに、明日は曇り。
直射日光よりマシだと祈るより他ない。

明日は朝に番組出演がある。
それが終わればオフだから、見に行こう。
内容気になっていたのもあるし、
ラウを1人で撮影に向かわせるのは心配しかない。


翌日、朝が少し早い俺が出来るだけ静かに
準備していると、寝起きふにゃふにゃのラウが
いってらっしゃいと起きた。

もうちょっと寝ときなさいと
頭を撫でてやると、またすぐ寝落ちる。

身長が伸びても、髪が伸びて色気が出ても、
19歳になっても、ラウはラウのまんまだね。
可愛くて、守ってやりたくて、愛しい子だよ。


朝の番組では、新しく出るシングルの
YouTubeで発表されたMVの話題になった。
ラウールの映画の主題歌だから、それかと。



「あれは、うちのメンバーの目黒が
デモ音源を聞いて曲が決まったんです。
その時に、ラウールに作詞を持ちかけて、
最初はずっと断ってたんですけど、
目黒の一押しもあって、なんとか曲になりました」

「目黒くんが決めて、ラウールくんが作詞を？
聞きにくいんだけど...耳、悪いんだよね？」

「そうですね、音階は渡辺が分かる範囲で
譜面に起こして、ずっと付きっきりで教えてました」



制作はもう、随分前。
映画が決まった時に、デモを聞いたのはめめだった。
何曲かの中から、すぐに決まったようで、
決まれば作詞をしないかとラウに持ちかけた。

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