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優しい君に、優しい世界 ページ17

枯れない花を目印にの世界で。
みんなが優しい世界の、小さな話。






*Hikaru.I side...



聞きなれた病院から連絡が来て、付き添いの方が。
そこまで聞いて、何も考えずに車に飛び乗った。
よりにもよって、そんなことが頭の中に浮かんで
そんなこと考えんなと頭を振る。

ラウールの定期検診に2人で行ってる。
2人で、だ。ラウールと。

ふっかも心配だし、1人になってしまうラウールも
心配で堪らなかった。
今朝、いってくると笑って出た2人を思い出す。
昨日の夜、ラウールはどこまで覚えてたっけ。



「あのっ...!!ふかざ...ぁ、じゃない、えっと、
村上!の付き添いがっ...、あの、ラウール...」

「落ち着いてください、村上さんですね?
4番の待合にいらっしゃいますよ」



走っちゃダメだ、と、早く行きたいと混じって
少し小走りになる。



「ラ...!ウール...?」



廊下の奥の方。
居たのはラウールだけじゃなかった。
男性2人がラウールを挟むようにして座っている。
何かやらかしたか、と慌てて駆け寄ると、
ラウールはすっかり泣き腫らした顔。



「あのっ、なんか、...ありま...した、......え?」



テレビで見たことある。
そんなセリフが直ぐに出てきた。
自分も出る側だから、そんなこと滅多に言わないけど
今朝のニュースにも、昨日の番組にも出てたから。

なんだっけ。




「パパ、来たよ、分かりそう?」

「あ、えっと...すみません、あの...」

「俺らもたまたま居たんで、大丈夫ス。
不安だったみたいで、...ぁー...泣かした訳じゃなく」

「ぁ、や、分かってます。あの、本当に、」


「迷惑、なんてかかってませんから、な?」

「はい、全然、僕達たまたま居合わせただけで。
本当に丁度、良かったです、そばにいられて」




そう、聴覚障害を持つアイドル。

動かされる手は、きっと手話。
話はスムーズに出来ているけれど、絶え間なく
動かされているから、きっと通訳されてる。

ラウールと同じくらい背が高くて顔が整ってる人と、
多分聞こえる人で、どことなく翔太に似てる人。




「...ラウール、ごめん、遅くなって...分かる?」



返事は、ない。
ダメかもしれない、誰か呼ばないと。
誰なら、わかるんだろ。



「...ぱぱ、」

「ん、...誰なら、...分かる?ふっかは?」

「ふっかさ、っ、ふ、か、」



パパと呼んでくれるのに、みるみる溜まる涙に
俺が泣きそうになってしまう。

.→←.



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そら(プロフ) - みささん» そうなんですね!こちらこそいつも素敵なお話ありがとうございます!!これからも頑張ってください! (11月4日 9時) (レス) @page5 id: 288b7a7513 (このIDを非表示/違反報告)
みさ(プロフ) - そらさん» コメントありがとうございます!いえ!男性の方であってますよ!僕や俺などの方もいますが、敢えて丁寧で中性的なイメージを持たせるために一人称を私にしています。なのでバッチリ正解です!いつも読んでくださってありがとうございます!これからも宜しくお願いします (11月3日 19時) (レス) id: 1fb25e0756 (このIDを非表示/違反報告)
そら(プロフ) - あのお医者さんって女の方だったんですね!!恥ずかしながら今気づきました、、🤦🏻‍♀️ (11月3日 18時) (レス) @page5 id: 288b7a7513 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:みさ | 作成日時:2023年10月30日 13時

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