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「…僕は、弱いから。
逃げてきた、＿＿＿ さよなら、してきたんだ」
僕は、そばにいられない。いちゃいけない。
きっと、あの子が歩む道を邪魔してしまう。
自分の性に囚われたままの僕じゃ、きっと。
「…あーぁ…自分で決めたくせに、泣くんだよ、
馬鹿でしょ、…馬鹿だよね、どうにもならないのに」
もし、もっと早く会えてたら。
僕が、もっと強かったら。
そしたら、君と笑えてたかな。
「泣くのは、弱いからじゃないよ。
逃げたって、隠れたっていい。
ずっと頑張ってたら疲れちゃうよ」
『守りや逃げは弱さじゃない。
常に走り続けることや、力だけが強さじゃない』
「え…？」
「自分から逃げなきゃ、いいんだよ。
僕は、僕だよ、何も変わらないんだよ。
そこから逃げなきゃ、それでいい」
『ただ、自分は弱いって決めつけて、諦めて、
自分自身を否定して、自分から逃げて、
止めようとするのは1番ダメな弱さだよ』
「大丈夫だよ」
『...僕らは、ちゃんと自分で歩けるよ』
胸が詰まって、喉もぎゅっとして。
ああ、ほんとに、もう。
「ねぇ、」
重ねてしまう。
「…友達に、なれ、るかなぁ…」
大切にしたかった、あの子に。
「おともだち！」
握られた手が、暖かくて。
また僕は少しだけ、泣いてしまった。
ポケットには沢山の紙。
あの子の思いが、沢山詰まった優しい紙。
僕は、これを信じていいのかな。
僕は、大切にしてていいのかな。
「…食べる？」
「なあに？」
「…優しい、チョコレート」
僕が僕であるための、水色のチョコレート。
僕が、あの子を大切に思えた、少しの証。
「たべる！」
包みを開けて、口を開けて待つラウールくんに
そっと入れてやれば、途端に目が輝いた。
あまぁい、って可愛い笑顔。
僕も舌で転がして、鼻から息を吐いた。
甘くて、優しいチョコレートの香りが抜けていく。
「...ね、踊ろっか、踊るの、好き？」
「だいすき！！」
僕、アイドルだったんだ。
3人で頑張ってた、ずっと一緒だと思ってた。
運命が僕らを引き裂いて、僕らの歩む道を止めた。
当時は誰も味方なんてしてくれなかった。
何とかする、なんとかなる、大丈夫だって
彼等は何度も、何度も言ってくれた。
でも、僕は信じることが出来なかった。
どうせお前らはそっち側の人間で、
分かりっこないんだからって。
その手を振り払ったのは、僕の方だった。
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そら(プロフ) - みささん» そうなんですね！こちらこそいつも素敵なお話ありがとうございます！！これからも頑張ってください！ (11月4日 9時) (
レス) @page5 id: 288b7a7513 (このIDを非表示/違反報告)
みさ(プロフ) - そらさん» コメントありがとうございます！いえ！男性の方であってますよ！僕や俺などの方もいますが、敢えて丁寧で中性的なイメージを持たせるために一人称を私にしています。なのでバッチリ正解です！いつも読んでくださってありがとうございます！これからも宜しくお願いします (11月3日 19時) (レス) id: 1fb25e0756 (このIDを非表示/違反報告)
そら(プロフ) - あのお医者さんって女の方だったんですね！！恥ずかしながら今気づきました、、🤦🏻♀️ (11月3日 18時) (レス) @page5 id: 288b7a7513 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みさ | 作成日時：2023年10月30日 13時
