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大丈夫、きっとまた ページ12

枯れない花を目印にの世界で。
哀しみに沈む優しい彼と、水色のチョコレートの話。





*Yuu.S side...






「ないてるの?」



泣いてる知らない誰かの髪を普通に掴んで、
下から覗き込んでくるなんて正気の沙汰じゃないと
思っていたら、どこかで見たことのある子だった。



「〜〜っ、び、ぇっ、くり、し、ぁ、は!?」


「どっか、いたいの?」

「え?」

「きゅーきゅーしゃ?」

「は?」

「よぶ?」

「い、らな、い...」



頭のおかしい奴か、薬でもやってんの?って。
幼さの残る舌足らずな話し方。
でも目の奥はキラキラと輝いて見える。濁ってない。

でも、流石に怖すぎると立ち上がったら
そいつも一緒に立ち上がった。
しゃがんでいて分からなかったけど、大きい。




「…待って、君、…ラウールくん?」



あの子に、そっくり。
そして、あの人達にそっくりのアイドルグループ。
どちらも人気絶頂で、飛ぶ鳥を落とす勢いで
どこの番組をみたって、彼等がいる。



「ん?」

「SnowMan…え、え?なに?訳わかんない、え?」



今をときめくアイドルが、平日の昼間
こんな河川敷で、一般人に声掛けることある?



「ないたの、とまった?いたくない?」

「近いっ、近い近い」

「へへ」



やばい、本当におかしな子に捕まった。

そう思っていたら、ぶーぶーとバイブ音が
その子のポケットから聞こえてくる。
気のせいかとも思ったけど、止まったら
またすぐに鳴り始めるから気のせいじゃない。



「…鳴ってるよ」

「ん?」

「スマホ」

「すまほ?」

「そのポケット!!」

「これ?すまほ?」



熱でもあるのか、何?僕が変な世界に迷い込んでる?
見せられた画面には、おびただしい量の不在着信。
また切れたと思ったら、すぐ着信。



「…出ないの?」

「もしもし?」

「…そ、う、電話…」



狐につままれたような感覚。
会話が成立してるような、してないような感じ。



「あああぁっ、もうっ、出なよ!」



画面を押すと、1秒もあけずに騒がしくなった。



[ラウ!?っ、繋がった!ねっ、ラウ、どこ、
…ラウ?ラウッ!?聞こえてる!?]



こんな焦ってるなんて只事じゃない。



「…なんか言いなよ」


[えっ!?え!?ラウ!?]


「はぁい?」


[どっ、…ど、こに、いんの?誰といる?
周りに、何あるか、分かる?]



電話の焦る声とは正反対に、ぽやっとしてる。

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そら(プロフ) - みささん» そうなんですね!こちらこそいつも素敵なお話ありがとうございます!!これからも頑張ってください! (11月4日 9時) (レス) @page5 id: 288b7a7513 (このIDを非表示/違反報告)
みさ(プロフ) - そらさん» コメントありがとうございます!いえ!男性の方であってますよ!僕や俺などの方もいますが、敢えて丁寧で中性的なイメージを持たせるために一人称を私にしています。なのでバッチリ正解です!いつも読んでくださってありがとうございます!これからも宜しくお願いします (11月3日 19時) (レス) id: 1fb25e0756 (このIDを非表示/違反報告)
そら(プロフ) - あのお医者さんって女の方だったんですね!!恥ずかしながら今気づきました、、🤦🏻‍♀️ (11月3日 18時) (レス) @page5 id: 288b7a7513 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:みさ | 作成日時:2023年10月30日 13時

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