君がいるから (ページ5)

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壱馬side

なんとなく教室に行く気になれず、屋上にきた

壱「へえー、こんなとこあるんや」

タンクがある少し高くなっている場所は入口から死角にもなっていて、1人で過ごすにはちょうど良さそうだった

タンクに寄りかかり座って居ると

『気持ちいいー…』

下から声が聞こえて覗いてみると、そこには話題の女の子が立っていた

壱「笹野さん…？」

気付いたら声をかけている自分に吃驚した

『川村くん…で合ってるよね？』

壱「覚えててくれたんや」

『だって女の子みんな川村くんかっこいいって言ってたし、覚えちゃった」

壱「俺も笹野さん人気者やから覚えてるで」

『昨日から騒がしくしちゃってごめんね」

壱「そんなんお互い様やん。笹野さんはなんで屋上来たん？」

『実は私芸能のお仕事してて。そういう仕事をしてるっていう目で周りから見られてるから、ちゃんと"笹野Aでいなきゃって思ったら疲れちゃって。川村くんは？なんでここにいたの？」

壱「俺も同じような感じやな。でも笹野さんと話せたし、来てよかったわ。あ、こういうの嫌やんな？ごめんな？」

『ううん、大丈夫。私も川村くんと話せてよかった』

壱「ここ入口からも死角になってるし、落ち着かへん？お互い様疲れたらまたここ来ようや」

『私もまた来ていいの？川村くんがせっかく見つけた場所なのに…」

壱「ええよ。またここで話そうや」

芸能界で働いてるという彼女は話してみると"いい意味で普通"で、話していて心地が良かった

思えばこの時から彼女に惹かれていたのかもしれない