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ふらふらと中身を見ながら辰哉くんが立ち止まったクレーンゲームの中には真っ白でふわふわな雪だるまのぬいぐるみが入っていた。
深澤「よし、今日はこれ。」
「・・・？今日はミニオンじゃないんだ」
深澤「そ。なんか季節っぽくていいじゃん。」
黒縁の眼鏡がよく似合う。
スーツも似合うけどパーカー着てラフな格好してる辰哉くんもかっこよくて好き。
真剣にボタンを押してる姿は職場で見せてる真面目さや誠実さとは違う顔をしていて、時々こっちを見て笑ったり得意げな顔が可愛い。
1回目で少しずらして2回目で落とすんでしょ？
いつものパターンだよね。
なんてワクワクしてる私とは一転して2回目を始めない辰哉くん。
私の頭の上にはハテナマークでいっぱい。
私の方を見て優しく微笑んだ彼はまたゲームの方を見ながらこう言った。
深澤「あのね、A。出張になった。」
「・・・しゅっ、ちょう？」
私の方は見ずに手元を動かしていく。
でもその表情は眉毛をハの字に下げていて無理して笑っていて。
深澤「そ。しばらく離れ離れになる。」
「・・・どこに？」
深澤「九州。」
「えっ……。遠いよ……」
コトンと何かが落ちる音がした。
あぁ、雪だるまが落ちたんだ。無事に取れたんだ、
しゃがんで雪だるまを手にし、私に雪だるまを手渡そうとする辰哉くんは困ったように笑っていて
深澤「期間もね。決まってない。1ヶ月なのかもしれないし、それより長いかも。終わるまでっていう契約。延長もありえる、かな。」
辰哉くんが急にアメリカに行った日々が走馬灯のように駆け巡る。
あぁ、今朝世界中できっと私たちが1番幸せだなって思ってた時間が遠くに感じる。
「・・・いつから？、」
深澤「年明けすぐ。向こうで仕事始めを迎える」
「やだ！やだやだやだっ、」
子供のように自分の感情をぶつけてしまって、そんなことをしても決まったことだから変えられることはできないし困らせるだけだってわかるけど。
だってもう私たちは付き合ってるし、あの頃とは違うんだもん、
深澤「A？・・・A。」
違うんだもん・・・
悲しくて涙が出てきて近くにいた若いカップルがこっちを見てびっくりしてるのが目に入ると、
深澤「帰ろ？おいで、」
そう言いながら腕を引き寄せ、軽く抱きしめてくれた後に来た時と同様にポッケに繋いだ手を入れながら家までの道を歩き出した。
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廉桜(プロフ) - 2度目の完結、おめでとうございます！2度目の完結にあたり、もう一度初めから読ませていただきましたが、やっぱり胸キュン&ほんわかな癒され作品でとても幸せになれました！凄く大変だったと思います、本当にお疲れ様でした！！ (2021年3月29日 2時) (
レス) id: 1a19d45977 (このIDを非表示/違反報告)
廉桜(プロフ) - 美桜さん» わわっ、本当ですね…。私は読み手なので何度も楽しませていただけて嬉しいですが、美桜さんは書き手側なので、一度作り上げたものを1から始めるのは辛いですよね…。私がスクショしておけば良かったですね（泣）大変だとは思いますが、頑張って下さい！！ (2021年2月14日 2時) (レス) id: 1a19d45977 (このIDを非表示/違反報告)
美桜(プロフ) - 廉桜さん» お話全部消えちゃいました(;_;)廉桜さんに最後まで読んでいただけてよかったです！2度と同じ話は書けないので、2度楽しめると思って是非もう1回読んでください＊ (2021年2月13日 20時) (レス) id: b889ac99cd (このIDを非表示/違反報告)
廉桜(プロフ) - 美桜さん» 完結、おめでとうございます。最後まで胸キュンな回でとても楽しく読ませていただきました！旦那も息子もオンナの心を掴むのが上手すぎて…笑将来あんな旦那を捕まえる事が出来たら幸せなんだろうなと思いながら読んでました！幸せになれる作品をありがとうございました (2021年1月31日 2時) (レス) id: 1a19d45977 (このIDを非表示/違反報告)
美桜(プロフ) - 廉桜さん» わかります！とってもほっこりします！土曜日で完結しますのでお暇な時にまた読みにきてください＊ (2021年1月28日 22時) (レス) id: b889ac99cd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：美桜
| 作成日時：2020年12月28日 21時
