深澤先輩と私【番外編】2

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深澤side



会いたかった、ずっと。
会いたくて会いたくてたまらなかった。
会いたいって言われたら仕事を投げ出してでも会いに来るつもりだったのになかなか会いたいって言ってこないから。
まあ、Aのことだから俺に気を遣って会いたいのに会いたいって言えないんじゃないかなって心配してたんだけどね。

残業も多くて完全にすれ違ってしまったことを考えると"会いたい"を言えない環境を作ってたのは間違い無く俺で。

照や康二から連絡が来るたびに俺何やってんだろうって思ったし、もう俺の方がAに会いたくて寂しくて心が悲鳴をあげていた。



「わたし辰哉くんの奥さんになるんだ、」



俺の腕に収まる俺の好きな人が。

自分の人生を賭けてでも一緒にいたいと、大切にしたいと思える人に触れられる距離にいることがこんなにも幸せなことだったんだって気づく。




深澤「明日の夕方、もう帰らないといけないんだ」


「えっ、、」


深澤「Aに会いたくて、俺の気持ち伝えるためだけに帰ってきた。直接言いたかったから」




顔を上げたAはびっくりしていて頬を赤らめている




「え、ほんとに？嬉しいけど、、、でもよかったの？」




不安そうな顔をしてもかわいくて。
肩を引き寄せると隙間もないほど体がくっつく。




深澤「いーの。気にしてないそんなこと。
お金にも変えられない大切な時間をすごせたんだもん。
出発前に言うか迷ったんだけどね。やっぱこれがなくちゃなー」


Aの左手を取り薬指に触れながら今朝取りに行った指輪をすっと嵌め込む。実はネックレスを買いに行った時に指輪も一緒にオーダーしていて、今日完成するって連絡があったから康二にお願いしてAを外に連れ出してもらった。仕事なんてのは嘘ね。指輪はAが寝てる間にサイズを測ってたから




深澤「よかった、ピッタリ」

　


案の定彼女は驚いていて口を開けたまま俺の顔を見上げる姿が可愛くてたまらない。泣きながらうそ、とか、ありがとう、と言いながら微笑む姿は俺だけしか知らない、俺だけに見せる顔なんだと思うと愛おしさで胸が苦しくなってくる。




深澤「ね、もう1回しよ」




俺を見上げて頷く姿が愛おしくてたまらない。
少し背伸びして買った指輪の内側には2人のイニシャルを刻印してもらった。
ゆっくりと触れる唇に君の体温を感じる。
一生大切にするから。もう漠然とした不安を感じなくてもいいんだよ。





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