からかってないよ？ ページ17
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このドキドキが聞こえちゃうんじゃないかって声も出ない。
口から心臓が出そうだし、私手汗とか大丈夫なのかな、
「あー、さっきの話の続き？」
『そ、そう！』
「ふはっ、まじ顔赤い。かぁいー」
肩でつんって私の肩を押してくる。
あー近い、近い、、、
『もう、からかわないで』
「からかってないよ？いちいちかあいいのよ、Aちゃんって。」
怒った顔もかあいーなんて言いながら私を見下ろしながら笑ってる。
ねぇ、手繋いでるけど大丈夫？本当に大丈夫？
いや私のことね。
わたしのメンタル大丈夫なん？？？？
「携帯の番号聞くために絶対帰ってこようと思ってたよ。」
『・・・この携帯からかけたよ？電話、』
「うっっっそまじで？」
知らない番号には出ないんだーって。
やっぱり。
少しホッとした。
嫌いとか、めんどくさくて出てくれなかったわけじゃないことがわかってすごくホッとした。
「不安にしちゃったー？ごめんねぇ」
『・・・もうあんまり見ないで、』
その顔覗き込んでくるの本気で辞めてほしい。
心臓持たないから、
歩きながらやってきたのはこの前美桜ちゃんと食べたクレープ屋さんで、ここで両思いになる待受がバレたんだった。
両思いかどうかはさておき、今こうやって再会できてるからこの待受効果があったのかもしれない。
すごいじゃんこれ！
「お、このクレープうまそーじゃん。食べる？」
『ん、食べる！』
「んー？なんか元気になったねぇ」
そう言いながらも下を向いたまま店員さんとは目を合わせずさっさと注文をしてくれて、スマートにお会計も終わってしまった。
なんか店員さんがこそこそ奥で言ってるのが気になるけど、このイケメンを見てこそこそ言ってるに違いない。
「はーい、チョコバナナ」
『わーありがとう！たつ、』
「はいちょっとシーね。あっち行こう？」
急に人差し指でわたしの口をむにゅっと押されてそそくさと手を引いてその場を離れる辰哉くん。
夏の真っ昼間に暑い、すごく暑い。
どきどきしっぱなしで苦しい。
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作者名：美桜
| 作成日時：2023年5月26日 12時
