教室にふたり ページ15
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『っ、』
覗き込んでくる顔があまりにもかっこよくて見てられない。
さっと目を逸らすとこっち見てよなんて笑いながらほっぺたをむにゅってして目線を合わせるようにしてくるとか聞いてない。
「ふはっ、耳まで真っ赤になっちゃった?ほらしゅーちゅーしよしゅーちゅー!」
『んぅいひゃいいひゃい!』
ほっぺをぐにぐにしてくるからまともに喋れないしこんなところアヤちゃんに見られたらまじ突き飛ばされそう。
なんて考えながらもたつやくんは笑いながら真面目に板書を手伝ってくれて、だから私も真面目に頑張って、もうすぐ終わるって時。
「ちゃーんと集中できてんじゃん。」
『うん、』
もうそっちは見ないよ。
教室にふたりきり、
見たらまたペン置いちゃうから、心にあったモヤモヤをぶつけてみることにするね。
どうか嫌いにならないで・・・
『・・・電話したのに』
「ん?何?」
『・・・電話したのに、出てくれなかった』
やってしまった。
あと少しで板書が終わってしまうのに嫌な空気になっちゃう、
「あー。ごめんね?俺いつもバイト終わんの23時すぎてたりとかでさ。なかなか帰れなくて。」
『・・・うん、』
板書が終わって、手を止める。
そっちを向いたらまた顔が赤いって笑われちゃうからそのまま補助バックにルーズリーフとペンを仕舞おうとすると、立ち上がったたつやくんから「ん」と紙とペンを渡された。
『・・・わぁ、ありがとう!』
こんな字書くんだ、ちょとへたくそとか思ってごめんなさい。
字が下手くそなのも可愛い。
「お前字が下手くそとか思ってんだろ笑」
『お、思ってない!!』
思ってたなんて絶対に言えない!笑笑
「この夏、絶対ばーちゃんち帰ってくるつもりだった。最初から。4月からずっと考えてた。」
『・・・なんで?』
最後に黒板を消さなくちゃと立ち上がった瞬間、ガラガラガラと教室の戸が開く。
先生「終わったか?先生もう帰る・・・ん?お前誰だ?」
「やべっ、行くぞA!!!」
『へ、・・・きゃっ!』
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作者名:美桜 | 作成日時:2023年5月26日 12時