拗らせ幼なじみの深澤くん2

再会 ページ10

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阿部「みんな準備できたー？」


渡辺「うわっ、めちゃめちゃテンション上がってきた」


岩本「お前だけだから。ふふふ、いや俺もだ」




なんかみんなテンション上がってるし。
なんだかんだ大学やらバイトで休みが合ったのは
厳しい暑さも過ぎ去り、陽が沈むとちょっぴり肌寒い季節。秋になっていた。


免許取りたての阿部ちゃんの運転で、俺は助手席でナビをする。



渡辺「おい！お前ブレーキ踏むのおせーよ！」


阿部「なんで俺に運転させんだよ！」




いや本当に危ない。
急ブレーキ多すぎない？ナベがさっきから運転席ガンガン蹴ってるから！笑

免許持ってない俺がいうのもなんだけど。
いやでもそれどころじゃない。





やっぱりこの区域に足を踏み入れるのは緊張してしまって。




車で運転して30分がすぎたあたり、
Aが住んでる地域にやってきた。




もしかしたらどこかにいるかもしれない、
この街のどこかで偶然会えたらなって。




そう思ってしまうあたり俺の心は重症なのかもしれない。




阿部「あーやっとあと少しで着くー」


岩本「パンケーキ食いてー、パンケーキ！」


深澤「うるせーわ。パンケーキあるかもわかんねーだろーが笑」









学校の女子に財布のこととヨワムシのことを聞いてみた。




康二のバイト先のインスタを見せてもらうと、
モデルのような顔の整った男が何枚も写ってて。







＊「かっこよくない？もうね、爽やかなのよ！背も高くてあれはやばい。全女子が惚れるやつ。辰哉くん友達になってきてよ。」


深澤「はー無理無理。で、女の子は？」


＊「うわ、辰哉くんもあの子目当てなの？この前お客さんに連絡先聞かれてて頑張って断ってたんだけど、客がしつこくてさ。このイケメンがスマートに割って入って助けてあげてたの！2人付き合っちゃえばいいのに！」





美しかったーとか言ってたっけ。




Aだったらいいのに、と思う反面、
Aじゃないことを願ってる自分もいた。









会いたいけど、会ってくれるのかな。




連絡したいけど返事は来るのかな。








そんなことを思いながら文字を打っては消してを繰り返してる俺ってほんとに馬鹿だよな。







気づけば下唇を噛み締めていた。









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