お兄ちゃんとその彼氏。【赤緑】

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その夜。



私はこんなにもお兄ちゃんの部屋と私の部屋の間の壁を忌々しく思ったことはない。



率直に言う。邪魔！！！！クッソ邪魔！！！！！



だがしかし。壁は薄いのだ。お兄ちゃんがギターを弾いてる音が聞こえてくるほど薄いのだ。



営みも……聞こえないかなぁ………。






赤「…ちゃん、……も、」


緑「…ちょ、…」






右耳を壁に擦り付けて全神経を右耳に集中させる。


何！？！？何を喋ってるの貴方達は！？！！



私の前で喋りなさい！！もう！！ダメな子ね！！






赤「…なぁ、ええやろ…？」


緑「やっ、あかんよアホ…、Aやって起きとるし…」






何があかんの！！？？？私寝てるよ！！！大丈夫だよ！！！！！！



心臓の中で大地震が起きています。ドドドド。煩い。黙れ。






赤「ええやん、折角一緒に住めたんやもん…なぁ、お願い」


緑「も…っ、ぁ、そこ触らんといて、って…！」






どこ！！！？どこを触っているんですか！？！？



ああああああ！！！！今すぐこの壁を叩き割りたい！！！！蹴り割ってもいい！！！なんならチェンソーでぶった切りたい！！！！とにかく隣の部屋に入りたい！！！！






赤「はぁ…分かった。明日も仕事やしな」


緑「…ごめんな、大毅。好きやで」


赤「…俺も好きやで、とも」






微かに。



ほんっっっっっの微かにだけど、リップ音が聞こえた。



さっきまでしげ、神ちゃんだったのに…。



大毅、とも………。





「尊い！！！！尊いよお兄ちゃん！！！！何でそんなに尊いの！！！！そのまま天使になって私をお兄ちゃんと大毅さんしか居ない世界へ連れてっ」






バンッ！！！！！！





緑「A！？大声出してどないしたん！？」


赤「…」


「何でもないよ。おやすみお兄ちゃん、大毅さん」






私の演技力に乾杯。私ってなんて良い子なの。




…………それよりも大毅さんが2人きりの時間を邪魔されて拗ねててさぁ…………。




可愛い！！！！！！



かわいい！！！！！！



カワイイ！！！！！！！





今の気持ちをもっと鮮明に表したいなぁ。控えめに言うと銀河系に地球が出来た時くらいの感動を感じています。多分その頃私はサルだった。ゴリラかもしれない。




不思議そうな顔をしながら2人は部屋へと戻って行った。変人と思われただろうか。いや別に良いそんなのは。




「…俺にも構えや」とか言いながらお兄ちゃんのこと押し倒してください！！！未来のお兄さん！！







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