【赤羽業】赤髪くんの味方をしたら、E組に落とされた。7

第334話 奥田の時間 2時間目 ページ38

Aside



なるほど…


今の奥田さんの話を聞いて、カルマと奥田さんが仲良くなった理由がなんとなくわかった。


警戒心の強いカルマにとって、奥田さんの性格は攻撃性がほぼゼロに等しく、無害。


だから気軽に話しかけやすい。


そして奥田さんも、最初こそビクビクしてたみたいだけど、今ではそれが全くない。


きっと変に物怖じしないところが、カルマの警戒心や壁を取り除いてるんだろうね。


奥田「カルマくん、しょっちゅうAさんの話してますよ」


『…私の話？』


奥田「いつも学校ではそっけないAさんが、今日は教室でも優しかったとか、今日でAさんと付き合って何か月とか…カルマくんはAさんの話をしている時が、一番よく笑ってる気がします」


知らなかった…カルマが奥田さんに、私の話をしてるなんて…





え、ちょっと待って。





『…私と付き合ってる事まで話したんだ…』


奥田「Aさん、もしかして知らないんですか…？」


『…何を？』


奥田「お2人が付き合ってる事は、先生方も含めてE組の全員が知ってますよ」


『…え？』


嘘でしょ…？


私、凛香にしか話してないのに…


奥田さんの話によると、カルマは修学旅行の帰りの電車で私との事を公言し、皆が見ている前で寝ている私の頬にキスをしたらしい。


そんな前から皆にバレてたなんて…


あぁ…頭が痛い…


思わず頭を抱える私を見て、奥田さんが慌てて私に駆け寄る。


奥田「Aさん、大丈夫ですか？」


『…いや、あんまり大丈夫じゃないかも…』


奥田「もうすぐ昼休みも終わっちゃいますし、急いで教室に戻りましょう！」


『…うん、そうだね…』









教室へと戻る道中、私は最後にもうひとつ、奥田さんと話していて気になった事を聞いてみた。


『…奥田さんは…その…好きな人、いるの？』


奥田「恋愛対象としてでしたら…残念ながら、いません。今の私には、異性よりも"理科"の方が魅力的なので…」


『…そ、そっか…』


奥田「でもいつか、私もAさんやカルマくんみたいに、本気で好きだと思える人に出会えたらいいなって思います！」


奥田さんはそう言って、明るくニコッと笑った。


あ、かわいい…


この時、私は奥田さんともっと仲良くなれそうな気がした。


今まではカルマがいてもいなくても、どこか気を使いながら話してたけど…









これからは…1人の友達として、私も気軽に話しかけてみようかな。

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