【赤羽業】赤髪くんの味方をしたら、E組に落とされた。7

第333話 奥田の時間 ページ37

Aside



ここまで来れば…大丈夫かな。


私が奥田さんとやって来たのは、E組専用プール。


もちろん、プールに用事はない。


ただ誰にも邪魔されずに、2人で静かに話がしたかったから来ただけ。


奥田「Aさん、私に話って…」


『…あぁ、うん…』


折角2人きりになれたのに、上手く言葉が出てこない。


何か言わなきゃ。


なんでもいい、何か一言…


奥田「もしかして…カルマくんの事ですか？」


『…え？』


奥田「やっぱり…そうなんですね」


『…奥田さん、どうして…？』


私、まだ何も言ってないのに…


奥田「殺せんせーに国語力を鍛えるように言われてから、茅野さんや神崎さんに国語を教わってるんです。そのおかげで、人間の細かい心情が少しずつわかるようになってきて…だから、Aさんに外で話そうと言われた時、すぐにピンときました」


『…そうなんだ…』


だったら…話は早い。


『…あんまりゆっくり話してる時間がないから、単刀直入に聞くけど…いい？』


奥田「はい、構いません」


この質問をする事で、今後の私達の関係がどうなるのか…そんな事は今ここで考えても仕方無い。


今なら後戻りできる。


けど、それでも私は…





『…奥田さんは…カルマの事が、好きなの？』





やっと聞けた。


ずっと…気になってた。


でも、答えを知るのが怖くて聞けなかった。


奥田さんは少し考えてから、実に穏やかな表情で、私の目を真っ直ぐと見つめながら…こう答えた。





奥田「好きです、とても！」





答えはなんとなくわかってた。


わかってたけど…こんなにハッキリと言われると…


奥田「あ、ごめんなさい！ 私がカルマくんを好きっていうのは、もちろん"友達"として好きって事で…私はAさんとカルマくんの事、応援してますから！」


『…応援？』


奥田「さっきの言い方だと、私がカルマくんを恋愛対象として好きって言ってるみたいですよね。すみません、ややこしい言い方をしてしまって…」


奥田さんがすみませんと言いながら、私に何度も頭を下げる。


『…ちょ、ちょっと奥田さん…落ち着いて…』





奥田「私…初めはカルマくんが怖くて、声をかけられるだけでビクビクしてたんですけど…それでもカルマくんは、いつもこんな私に気軽に話しかけてくれて…そのうち、お互いなんでも話せるようになって…」


『…う、うん…』









奥田さんは落ち着いたかと思うと、なぜか急に語り始めた。

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