第325話 酸欠の時間 ページ29
磯貝side
磯貝「…え?」
『…私なんかに構わないで…』
磯貝「A…」
『…悠馬にその傷をつけたのは…私。私が悠馬を傷つけた…私は、私は…』
呼吸がだいぶ乱れてるな…
顔色も悪くなる一方だ。
俺はそんなAを少しでも落ち着かせたくて、安心させたくて…
こんな時に不謹慎だとは思いつつも、後ろからそっと…けど強く、Aを抱きしめた。
磯貝「俺なら大丈夫だから、そんなに自分を責めるな」
『…離して…私を、1人にして…』
磯貝「離さない。俺はAを、絶対に1人になんかしない」
『…お願いだから、離して…離してよ…!』
Aが俺の腕を掴む。
今ここで俺がこの手を離したら…Aを1人にしたら…Aはもう二度とE組(ここ)には戻って来ない、そんな気がする。
だから俺は、Aにどんなに抵抗されても、抱きしめる腕の力を決して弱めなかった。
磯貝「この傷はAのせいじゃない。何もかも全部、死神のせいだ」
『…そんな事…わかってる。でも……ッ///』
俺はAにキスをした。
他にAを黙らせる方法がわからなかったから、だからキスで口を塞いだ。
『…ゆ、うま……んっ…ゃ…///』
Aが俺から逃げられないように、しっかりと頬に手を添えて…何度も何度も、Aにキスをする。
強引に舌を入れれば、Aの身体がビクッと反応し、それがまた俺の理性をかき乱す。
俺が本来の目的を忘れて、Aにキスをし続けていると…
それまでAを抱く俺の腕をずっと掴んでいた手が、ゆっくりと下に落ちた。
A…?
どうやらAは、上手く息継ぎができていなかったらしい…
酸欠で気絶しそうになっているAを見て、俺はようやく冷静さを取り戻した。
磯貝「ご、ごめん…A…って、A⁉」
しまった…俺はなんて事を…
そりゃいきなりこんな激しくキスされたら…息継ぎなんてする余裕ないよな。
しかも呼吸が乱れてる時に。
俺のせいで気絶してしまったAを見て、俺がどうしようか悩んでいると…
業「朝っぱらからこんなトコで何やってんのー?」
磯貝「カ、カルマ…おまえ、いつの間に…」
業「え、俺? 俺ならずーっとここにいたけど?」
見られてたのか…
Aの事で頭が一杯で、全然気付かなかった…
業「人の彼女に無理矢理キスして気絶させるなんて…とんだ学級委員だね」
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みあ(プロフ) - ちぃさん» お待たせしました! 続編、ついに公開しました!(といっても、今はまだ設定しか載せてないです、すみません…) また読んでいてついニヤけてしまうような面白いお話を書けるよう頑張りますので、これからも応援よろしくお願い致します! (2016年6月14日 0時) (レス) id: 84281e05bb (このIDを非表示/違反報告)
みあ(プロフ) - リナさん» 返信が遅くなってしまい、申し訳ありません。続編、やっとできました! まだ設定しか載せてないんですけど、これから続きのお話も完成次第載せていくので、良かったらまた読みに来て下さい! お待ちしてます! (2016年6月14日 0時) (レス) id: 84281e05bb (このIDを非表示/違反報告)
みあ(プロフ) - 矢澤ありすさん» お久しぶりです、みあです。これは事後報告になるのですが、小説の説明文に矢澤ありすさんの作品のURLを勝手ながら貼らせていただきました。理由はイラストと一緒に書かれていた文章が読んでいてとても嬉しかったからです。報告が遅くなり、申し訳ありません。 (2016年6月14日 0時) (レス) id: 84281e05bb (このIDを非表示/違反報告)
みあ(プロフ) - salomeさん» ずっと返信ができてなくて申し訳ありません。お名前変わったんですね! これからも宜しくお願い致します。まずは7のコメントを全てチェックして返信した後に0の方のコメントもチェックしにいきますね! (2016年6月14日 0時) (レス) id: 84281e05bb (このIDを非表示/違反報告)
みあ(プロフ) - ひよこリュナさん» ご無沙汰しております、みあです! つい数分前についに続編を公開しましたので、この場を借りてご報告させていただきます! まだ設定しか載せてませんが、是非8の方もよろしくお願い致します! (2016年6月14日 0時) (レス) id: 84281e05bb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みあ | 作成日時:2016年4月11日 0時