【赤羽業】赤髪くんの味方をしたら、E組に落とされた。7

第314話 赤の時間 ページ18

磯貝side



殺せんせーに銃口を向けるAの目は、真っ赤だった。


白目の部分の充血がひどい。


それだけじゃない。


いつもはどこか幻想的で、綺麗な色をしている瞳まで…今は血を連想させるくらい赤くなっている。


喋り方や雰囲気までまるで別人…


目の前にいるAは、本当に…俺等の知っているAなのか？


磯貝「A、少し落ち着け！ 死神に何を言われたのか知らないが、今は暗殺をしている場合じゃ…ッ」





…えっ。





一瞬、Aと目が合ったような気がした。


それと同時に、何かが俺の頬を掠めて…銃声が鳴り響く。


なんだかやけに頬が熱い。


痛みもある。


それに、何か生温かいものが流れているような…


これは…血、なのか？


女子達が俺を見て悲鳴をあげる。


どうやら俺は…Aに撃たれたらしい。


恐る恐るAの方に視線を戻すと、Aはもう片方の手で本物の銃を構えていて、その銃口は俺に向けられていた。


『…今のは…警告。次は外さない。だから…邪魔しないで。それとも、先に死にたい？』


Aが首を傾げる。


大きく見開かれたその目は、ほとんど瞬きをする事なく、ただぼーっと俺を見つめている。


なんて冷たい目をしてるんだ、A…


殺「Aさん、その銃をどこで…」


死神「僕からのプレゼントだよ。彼女が"本当の自分"を取り戻したお祝いにね」


本当の…自分？


どういう事だ…これがAの本来の姿だとでもいうのか？


死神「今の彼女にあるのは、君達に対する殺意だけ。君達の知っている彼女は、もうそこにはいない」


磯貝「Aに…何をした…」


死神「そう怒らないでよ。彼女は元々、君達との間にどこか距離を感じていた。僕はそれを利用させてもらっただけ」


前原「Aちゃん、俺等"仲間"だろ！ それなのに…なんだよ、殺すって…」


死神「無駄だよ。君達が何を言おうが、君達の言葉は、彼女に一切響かない」


寺坂「だったら力ずくで止めりゃいいだけじゃねーか！ 手は使えなくても、こいつ1人を止める事くらい…」


死神「それはやめた方がいいと思うよ」


死神が寺坂の言葉を遮る。


寺坂「あァ⁉」


死神「僕が彼女にプレゼントしたのは、銃だけじゃない。つまり、彼女はその身体のどこに、どんな武器を隠し持っているかわからない。僕が何を言いたいのか…君達なら、わかるよね？」









死神はそう言って、余裕の笑みを浮かべた。

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