第546話 紫の時間 ページ7
Aside
…気のせいかな？
今、誰かが遠くで私の名を…
隣を失った悲しみに打ちひしがれながら眺めていた夜空には、いつの間にか数え切れないほど沢山の流れ星……じゃない。
あれは…あの光は＿＿＿！
息をのむほど美しく、どこか懐かしささえ感じる光。
一目ですぐにわかった。
…隣。これは、隣だ…
夜の闇に消えたはずの隣が、最後の最後でまた私を守ってくれた…！
磯貝「A、早く！」
『……えっ…？』
きっと悠馬は何度も私を呼んでいたのだろう。
切羽詰まった顔と緊張感のある声がそれを物語っている。
じゃあ、さっきの声も…？
業「考え事ならまた後で、ね？」
『…カルマ…』
全然…気付かなかった。
足音はおろか、気配も全く…
業「よく頑張ったね、A。おかげでだいぶ回復できたみたいだよ」
そう言ってカルマは殺せんせーの方に視線を送り、それに気付いた殺せんせーがにこっと笑う。
『……そっか』
倉橋「Aちゃん、身体なんともない？」
『…うん、平気』
寺坂「また1人で無茶しやがって…」
『…ご、ごめん…』
カルマに手を引かれて小走りで皆の元に戻ると、私の周りにはあっという間に人が集まり、集まった皆がそれぞれ私に温かい言葉をかけてくれた。
こうしていると、皆が私をどれだけ心配してくれていたかがよくわかる。
ここに隣もいてくれたら、どれだけ良かったか…
隣は触手の力を最大限に引き出し、外界から完全に閉ざされた特殊な空間を創り上げた。
そこで自身の触手を駆使して空間を維持しながら私の触手を少しずつ回収し、そして力を使い果たした隣は…
これは触手を通して強固に繋がっていたからこそわかる事。
私から触手を回収したのは、おそらく私を人間に戻すためだろう。
だから光だけの存在となった隣は、"赤紫色"でも"青紫色"でもなく、"紫色"をしていたんだ。
白に近い、薄い薄い"紫色"。
形を失って意識すらも殆ど無いような…そんな状態でも隣は全ての力を振り絞って天から舞い戻り、私を守ってくれた。
……ねぇ、隣。
頭の中で今は亡き"彼女"に話しかけてみる。
当然、返事はない。
なんで…何も残してくれなかったの？
形見の1つや2つくらい、隣なら残せたでしょ？
視界がどんどん狭まっていく。
周りの声も…だんだん聞こえなくなってきた。
声が出ない。息が苦しい。
『………り、…ん…』
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 357人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「暗殺教室」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
みあ(プロフ) - 中二半さん» 何はともあれ、こんな所に来てくれてありがとう！ 今エブリスタでイベント投稿用にオリジナル作品を作っててね、そっちでいっぱいいっぱいだからこっちをお休みさせてもらってて… でも向こうが終わったらまた再開するから、そしたらまた見に来てほしいです！ (2018年10月29日 23時) (
レス) id: 84281e05bb (このIDを非表示/違反報告)
みあ(プロフ) - 中二半さん» え！？カルマくん！？えっ、ちょっ…なぜカルマくんがここに！？ あ、えっとですね…Rは18オーバーの姉者がいるので、姉者のiPhoneで見ております。カルマくんの未来がわかるのは…うん、まぁ…そこはあれだね。企業秘密ってやつだね。笑 (2018年10月29日 23時) (レス) id: 84281e05bb (このIDを非表示/違反報告)
中二半 - ヤッホー、みあ、シャロ。朝比奈の彼氏カルマだよ。ゴメンね〜連載短くて。次頑張る。で、俺メインのヤツもっと書いてもらえると嬉しいな〜…Rもなかなかいい感じじゃん、つかなんで俺の未来分かんの？あと3ヶ月で結婚なんだけど。Rんとことかどっから見てたの？ (2018年10月28日 20時) (レス) id: a565ea5cde (このIDを非表示/違反報告)
みあ(プロフ) - シャロさん» ただいま〜！ 暗殺教室、もといカルマくんは最高の癒しだよね〜。あの笑顔に何度救われたことか… 今も想像しただけで気持ち悪いくらいニヤけちゃうよ(笑) (2018年7月14日 14時) (レス) id: 84281e05bb (このIDを非表示/違反報告)
シャロ(プロフ) - おかえりなさい！！本当だよね！また、暗殺教室やって欲しい！暗殺教室は僕の癒しだし！！(笑) (2018年7月9日 1時) (レス) id: 1472190f96 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：みあ
| 作成日時：2017年6月24日 0時
