第25話 瞳の時間 ページ26
Aside
なるほどね。
彼がテスト中、片手をずっと机の中に入れていたのは…そういう事だったのか。
いや、今はそんな事…どうだっていい。
彼は…"先生"という生き物を殺す事に捉われている。
あんな彼は…もう見たくない。
『…先生、大丈夫…ですか？』
私は座ったまま、右手でハンカチを差し出す。
殺「Aさん…！ ありがとうございます。 先生、嬉しくて涙がッ…！」
殺せんせーが私に近付いてハンカチを受け取ろうとした瞬間、私はその下に仕込んでおいたナイフで、先生に切りかかった。
が、結果は失敗。
服に擦りこそしたものの、触手を破壊する事は出来なかった。
しかし、ナイフを避けられる事は想定内。
私は瞬時に左手で机の中にあった銃を取り出して立ち上がり、殺せんせーに向けて撃った。
でも一丁だけでは当たる気がしなかったから、私は両利きである事を活かし、左手で銃を撃ちながら、右手でスカートに挟んでおいたもう一丁の銃も取り出し、両手で撃つ。
殺「…二丁拳銃…！」
殺せんせーはだいぶ動揺していたものの…結局、私は一発も当てる事が出来なかった。
殺「酷いですよ、Aさん！ 先生、心が痛いです！」
ふざけてるのか本気なのか…
私は殺せんせーを冷たい目で見る。
『…何言ってるの？ ダメだよ先生、油断しちゃ。あなたは暗殺のターゲット…こういう隙を狙われる事くらい、わかってたはずでしょ？』
殺「ゔぅ…それもそうですが…」
『…私は…隙を、チャンスを逃さない。"先生"という生き物は…私が殺す。彼ではなく…私が、この手で』
視界の端で、渚くんが首を傾げているのが見えた。
『…でも…この"目"じゃダメだ』
そう言って私は銃やナイフを机の上に置き、下を向いて…カラコンを外す。
できればもう誰にもこの目を見られたくなかったけど…仕方無い。
母譲りのこの目を、父は綺麗だと言ってくれていたけど…その父は、もうこの世にいない。
私が中学に上がる前に、亡くなってしまったから…
その日から私は…この目を誰にも見られまいと、いつもカラコンで隠している。
この中で私の目の事を知っているのは…悠馬だけ。
私は顔を上げる。
クラスの皆が、私の目を見て驚いている。
『…あぁ、やっぱこっちの方がよく見える』
渚「朝比奈さん…その目…」
『…これが本当の私の姿。この目で私は…殺せんせー、あなたを殺す』
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みあ(プロフ) - さーやさん» コメントありがとうございます！占ツクご無沙汰状態だったので、コメント貰えて嬉しいです！ 夢主ちゃんと誕生日が一緒ということは…私とも誕生日が一緒ですね！わーい＼(^o^)／ 長編なので読むの大変だと思いますが、良かったら是非最後までお読み下さいませ…！ (2019年7月28日 13時) (
レス) id: 84281e05bb (このIDを非表示/違反報告)
さーや(プロフ) - 夢主ちゃんと誕生日一緒です、、、 (2019年7月26日 22時) (レス) id: 1e39d637ec (このIDを非表示/違反報告)
みあ(プロフ) - みすずさん» コメントありがとうございます！ 読みやすさは私がお話を書く上で重視しているポイントなので、コメントを読んでいてすごく嬉しかったです！ これからも読者の方に愛されるお話、何より自分が満足のできるお話が書けるよう頑張っていくので、応援よろしくお願いします！ (2018年2月4日 13時) (レス) id: 84281e05bb (このIDを非表示/違反報告)
みすず - この作品大好きです！おもしろいし、何よりすごく読みやすいです！(すぐに読むのを諦めるので…)これからも頑張ってください！！ 長文失礼しました！ (2018年1月29日 21時) (レス) id: 32ee314352 (このIDを非表示/違反報告)
みあ(プロフ) - キャンディットさん» な、なんと…！ ついに追いついてしまわれましたか(笑) これは本腰入れて執筆に専念しないといけませんね。作品を読んでもらえただけでもすごく嬉しいのに、こんな風に評価までしてもらえて本当に嬉しいです！ きちんと時間を作って更新がんばります！ (2017年8月23日 22時) (レス) id: 84281e05bb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みあ
| 作成日時：2015年6月25日 17時
