ご加護のつく少女は見習いです。【ブラック本丸】 (ページ39)

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卅.失踪刀です。ページ39

燭台切との事を思い出したのか唇をぐっとかんでいる太鼓鐘。

貞「あの事があったから、アンタに貞ちゃんって呼ばれて、ちょっと嬉しくて、でも、あの時も今も何も出来ないのが悔しくて、涙が出てきた。」

話が終わった後大倶利伽羅が口を開く。

伽羅「…アンタに頼みがある。光忠を救ってやってほしい。」

大倶利伽羅と同じ意見だったのか太鼓鐘もこちらを真剣な表情でみる。

『分かりました。みっちゃんのこと、必ず救いますから。安心してください。
ですが、

こちらも頼みがございます。…ここにいる刀達に、会わせてくれませんか？』

Aも真剣な表情で二振りに告げる。

そして、薬研達の頼みに近づくため、頼みも同時に話す。

伽羅「…分かっている。助けてくれるんだろう。こっちだ。」

そう言い蔵の奥へと案内される。

― 移動中 ―

伽羅「…ここだ。」

そう言われた場所を見る。

なるほど。様々な刀がいる。…あ。

Aは身を寄せあっている刀達に近づいていく。

『…薬研兄さんと包丁くんが心配してました。一緒に安心させに行きませんか？』

そう言いながら、彼らに手を差し出す。

秋田、前田、は後ろで手を繋ぎながら身を寄せあっている。

信濃、厚は、二振りを守るように刀を構えようとする。

貞「みんな、大丈夫だ。見習いさんは悪い人間じゃ無い。刀は構えなくていい。」

太鼓鐘も彼らに近づき、困り眉をしながら安心させるように話す。

厚「そんなの演技かもしれない。俺はもう、騙されたりしたくないんだ。」

信濃「俺も厚と同意見。会ったばかりの人間を信じろなんて無理な話だよ。」

殺意が含まれた声。一般人なら、たじろぐだろう。

だが、事情を知っているAは、

『俺っち、って誰かから聞いたことあります？』