ご加護のつく少女は見習いです。【ブラック本丸】 (ページ29)

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弐拾壱(中).信用です。ページ29

平野「…！前田にですか？ずお兄にも、ばみ兄にも会えるでしょうか？」

期待と不安の入り交じった声。

五虎「あ、あの…虎くんにも会えますか？」

泣きそうな声で話すのは五虎退。

鳴狐同様、いなくなってしまったらしい。

包丁「うん！必ず会えるよ。見習いさんは凄いから。みんなのこと直してくれたもん！

あのね、見習いさんはお菓子もくれるんだ！ちょこれーととか、くっきーとか！」

できるだけ笑顔で伝える。Aのように安心させるような笑顔を作ろうと頑張っている。

毛利「ちょこれーと？それは美味しいんですか？」
少し、微笑ましそうに問いかけてくる。

乱「毒とか入ってないの？包丁、見習いに何かされてない？」
心配そうに包丁を見ている。

包丁「見習いさんはそんなことしない。俺も最初は信じてなかったけど、愛染くんがいたんだ。愛染くんね、元気だったよ。見習いさんと楽しそうにしてた。」

訴えるように話す。

が、兄弟達の心の壁は分厚い。

後藤「愛染って、重傷だっただろ？術でもかけられたのか？」

まるで愛染くんを哀れむように聞いてくる。

包丁「違う！違うよ！見習いさんが直してくれたんだ。

　兄弟を助けてくれたように、今みんなを手入れしてるんだよ。だから、愛染君は元気だった。

　それに、俺が鳴狐さんのお供を探してっていったらちゃんと頷いて探そうと計画してくれてる。
　こんなに俺たちのことに必死になってくれてるのに術なんて使うはず無い。」

全く心を開いてくれない兄弟の説得に焦りを感じてくる。

毛利「…今優しくても裏切られるかもしれない。それは包丁もわかっていますよね？

　そのせいでみんな傷付いたりしたんです。人を簡単に信じてはいけません。」

包丁「わ、分かってる。分かってるけど、、」

薬研「なぁ、」