【鬼滅】鬼狩少女は今世こそ人生を謳歌したい【MHA】 (ページ9)

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０８：実技ページ9

「…？うん」

「君はふざけているのか！？仮想敵とはいえ敵は敵！袴なんか着て…しかもお面まで！君はどうやって戦うんだ！」

「普通に戦うけど」

「普通って…」

「心配しなくていいよ！私は大丈夫だから！」

「おい、メガネ。そんなの相手にしない方がいいぜ」
「そうそう。見た目同様頭もおかしいんだよ」
「きっと不細工だから顔を隠してるのね」
「何が大丈夫なんだよ女のくせに」

なんで体操服じゃないだけでこんなに言われるんだろう。
性別とか関係ないでしょ。なんで今世まで性別のことで馬鹿にされなきゃダメなんだろう。

周りがざわついてきた。
あの三人がいないと感情的になってしまいそうで怖い。
…皆も何か言われてるのかな。そこが心配だ。

「…おい！無視すんなよ！」

「きゃっ！」

「お、おい君！女の子に暴力は…！」

真面目メガネ君が焦って男子生徒を取り押さえようとしたが、私は彼の手を引きそれをやめさせた。

彼は本当に真面目な子なんだろうな。
さっき注意したのも私を心配してのことだろう。
周りには色んな“個性”を持つ人がいるわけだし、動きにくい服装のせいで瞬発力が鈍ったらとても危険だ。
お面は視界を狭めるから確かに危ないのだが、お館様が入学まで顔は隠しておくべきと言っていたので絶対に外せない。

それに、実は今日一日朝からずっとお面を被りっぱなしだから皆が私を怪しむのも無理はないのだ。だから私は他の生徒を責めたりはしない。

「ごめんね、本当に大丈夫だから！…私に言いたいことがある人はこの試験が終わってから直接言って！
ねぇ、そこのもじゃもじゃ頭君！君も馬鹿にされて悔しいなら一緒に試験で巻き返そうね！」

「えぇ！？あ！は、はいぃ！」

私がそう大声で言った瞬間、『ハイ、スタート』と放送が流れた。
私はその放送を聞きもらすことはなく、瞬時に仮想敵の元へ向かった。
皆は急に試験が始まった事と私の俊敏さに驚いていたせいでスタートが出遅れている。
…戦場ではその遅れが命取りなのに。

タッと軽い音を立てて私は天高く舞い上がる。

「全集中_____…

暁の呼吸

壱ノ型

明星＿_____」

激しい地鳴りと共に周囲が真っ赤に光る。
そして次に生徒達が目を開けた頃には…

「う、嘘だろ…」

「ここら一帯の仮想敵がほぼ切れてやがる…！」

私の刀は夜を断つ。

夜から朝になるように、私の技は何よりも眩しい。