【鬼滅】鬼狩少女は今世こそ人生を謳歌したい【MHA】 (ページ3)

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０２：進路希望調査ページ3

「あー……冨岡さんの説教長かったよ…」

「あ、お帰りA！無事だった？」

彼は竈門炭治郎。彼も善逸と同じく前世の同期だ。
パン屋の息子(長男)で天使のように可愛い弟妹がいる。
面倒見が良く、前世の頃からつい甘えてしまう存在だ。

前世の私には兄がいたのだが、色々あって幼い頃に離れ離れになってしまった。
鬼殺隊に十朱という名の柱がいると風の噂で聞き私も鬼殺隊に入隊したが、結局会うことは叶わず私は死んでしまった。

今世こそは会えると思っていたのだが一向に会える気配がない。
聞く限り前世で死んでいた人も今世では生きているらしいから絶対に生きてるはずなのに…。

まず今世でも両親が既に居ないので私だけ前世通りにシナリオが進んでいるとしか思えない。
どうしてだろう。神様は私が嫌いなのかもしれない。

「全然大丈夫じゃなかった！罰として放課後に草むしりしろって言われた！」

「そっかぁ…」

「炭治郎、本当はそんなに興味ないでしょ」

炭治郎はたまにこういうところがある。

「ていうか伊之助は？」

「多分そろそろ来ると……」

「うおおお！猪突猛進！！」

炭治郎がそう言いかけた瞬間、まさにジャストタイミングで彼がやってきた。
今そこでドアを壊しそうな勢いで教室に入ってきた彼の名前は嘴平伊之助。彼も前世の同期だ。

「伊之助、おかえり」

「あ？A、お前どこ行ってたんだよ！」

「うーん、地獄かなぁ」

「それ冨岡先生の前でも同じこと言えるの？」

冨岡さんは嫌いじゃないのだが、いかんせんスパルタ過ぎる。
このキメツ学園ではよく私と善逸が標的になっている。

「あ、そうだ。これ」

「……？“進路希望調査”？」

「さっき配られたんだよ」

「進路希望かぁ…」

私が机に顔を伏せながらそう言うと、炭治郎が少し表情を曇らせた。

「A、進路で悩んでるのか？」

「いやぁ…うーん…」

「なんだよ！はっきりしやがれ！！」

「だってさー…」

別にこの学校が嫌いなわけじゃない。
先生も生徒もほぼ顔見知りで仲良しだ。こんなに幸せな学校は他にはないだろう。
それに高等部に行けばもっといろんなことを学べるだろうし。

でも私は兄を探したい。
…嫌なことを言うが、この学校にいる限り兄は私の前に現れないと思うんだ。

結局炭治郎達に本音を言えないまま微妙な空気が流れ、時間だけが刻々と過ぎていきそのまま放課後になってしまった。