【鬼滅】鬼狩少女は今世こそ人生を謳歌したい【MHA】 (ページ2)

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０１：朝の始まりは食パンからページ2

ピピピピ……ピピピピ……

「………」

ピピピピ……ピピピピ……ピ＿

「…っうるさい！」

しつこく鳴り響く目覚まし時計を思い切り叩くと、それは見なくても“確実に壊れた”と分かる程の大きな音を出しながら床に転がった。

もう少し寝たいのだ。ゆっくり寝かせてほしい。
どうせまだ６時だ。だってアラームは６時にセットしたのだから。
だから二度寝出来る。７時半までなら寝ても大丈夫なはず。早起きからの二度寝ほど気持ちの良いものはないと私は思う。

ピロン

スマホから流れる愛らしい短い通知音によって私の睡眠は再び妨げられた。
ホーム画面を見ると、“８：０５”という大きな白色の数字と炭治郎から送られてきた【先に行くよ？】という淡白なメッセージが表示されていた。

…８時５分？

「遅刻…っ！」

私は急いでベッドから飛び起きて制服を着て、長い髪を梳かして耳の下で二つに結う。
ドタバタと騒がしい音を立てながら一階に降り、焼く時間がないので適当に袋から取り出した一枚の食パンにそのまま苺ジャムを塗り、それを咥えて私は玄関から飛び出した。

これは私、十朱Aの日課その１だ。
食パンを咥えて走っていると曲がり角でイケメンとぶつかって恋に落ちるらしい。甘露寺さんが教えてくれた。

別にイケメンでなくてもい。私は一生を共に過ごしてくれる異性を探したいのだ。
…まぁ、生まれてから１５年経ったけど彼氏なんて一人も出来たことないけど。
今世も一人で死ぬのは絶対に嫌だ…。

「あー！もう！今世こそ絶対に幸せになってやる！！」

「Aちゃん、今日も可愛いけどギリギリアウトね」

「どうしてよ善逸！！」

青春真っ盛りの中学生が夢を叫びながら登校してる姿の何がアウトなのか。
私の叫びには目もくれず、彼は手に持っていたボードに挟んである一覧表の私の部分に赤のボールペンでバツを付けた。

彼の名前は我妻善逸。
前世の同期で今世は同じキメツ学園に通う友人だ。

「セーフに……」

「ならないよ」

「どうして！」

「もうチャイム鳴ってるし…」

「チャイム止めてよ！」

「無茶だね！？」

説得も無駄に終わり「そもそも遅刻ってだけじゃなくてイヤリング自体が校則違反だからね！？」と言われ、何も反論出来なかった私は渋々職員室へ行き地獄のお説教を受けることになった。