【鬼滅】鬼狩少女は今世こそ人生を謳歌したい【MHA】 (ページ23)

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２２：モニタールームページ23

私達は地下にあるモニタールームに連れて来られた。
どうやらここで観戦するらしい。

「うおおお！なんだこれ！！でけぇ画面！」

「お～！凄いね、伊之助！近代的だね！」

「(ほんとここだけ異様に平和なんだよなぁ…)」

まず最初は緑谷君と麗日さんVS爆豪君と飯田君だ。
…一発目から凄いメンツだ。どんな結果になるのかかなり気になる。

…それにしてもさっきから背の低い男子生徒と金髪の男子生徒にジロジロと見られている。
なんだろう、私なにかしちゃったのかな。
私は炭治郎みたいに鼻が良い訳じゃないから匂いで相手の感情を感じ取るなんてことは出来ない。
だからあの二人がどんな感情で私を見ているのかわからない。

…私は善逸みたいに耳も良くないし、伊之助みたいに触覚が良いわけでもない。
カナヲちゃんみたいに目も良くないし、玄弥君みたいに身体能力が良いわけでもない。
…なんだか自分で言ってて悲しくなってきた。

前世の頃、一度だけ煉獄さんに相談した事がある。
私は同期の子より劣っているから、そのせいで皆に迷惑をかけてしまうのが怖いと。

それを聞いた煉獄さんは自分を卑下する私を叱った。
そんな事を言うなと。お前にはお前だけの良さがあるから、そこを磨けば良いと言ってくれた。
…煉獄さんは、兄に会えず生きる希望を失いかけた私にとっての太陽のような存在だ。

聴覚、嗅覚、触覚、視覚などの五感でははないが、私にも前世の頃から優れていたとある感覚がある。
…でも私は何の役にも立たないその感覚が嫌で、誰にも言ったことはない。
だってそれは……

「……Aちゃん？」

「……」

「…Aちゃん！」

「っ！な、何？善逸？」

「い、いや……なんか上の空だったからさ…」

「え、あー……お、お腹空いちゃって！」

「さっきあんだけオムライス食べてたのに！？」

こういう時は善逸のツッコミにいつも救われる。
さっきの男子生徒二人は私が振り向くと顔を逸らすので今は無視しておこう。

画面の向こうでは爆豪君と緑谷君が本気の戦いを繰り広げていた。音声が聞こえないので何を言い合っているのかは分からないが…。

…訓練だからといって手抜きはいけないけど、この二人の戦いはなんだか見ているこちらが嫌な意味でドキドキする。
大怪我しなければいいけど…。