１９：授業初日 ページ20
「おはよー！」
「……」
「おはようAちゃぁあん！…ってぇえええええ！？何！？Aちゃんがイケメンと登校してきたんですけど！？」
うーん。善逸は朝から声が大きいなぁ。元気で何よりだ。
轟君は小さく「…じゃあ、俺行くわ」と言って自分の席に行ってしまった。
「え、待って待ってあのイケメン誰！？いやクラスメイトなのは知ってるけど！」
「お友達になったの！」
「あのイケメンと！？どうやって！？」
「だし巻き卵と蕎麦の話で！」
「あ、あ〜〜…これツッコミが追い付かないやつだ〜……」
善逸は遠い目をしながら机に伏せてしまった。
大丈夫かな…。
「あ、おはよう炭治郎！伊之助！」
「あぁ、おはよう！ちゃんと時間内に来れて偉いな！」
「あ、ていうか聞いてよAちゃん！伊之助の奴教科書全部持ってきてないとか言い出してさ〜！ほんと」
「あぁ！？あんなん必要ねぇだろ！」
「いるよ！？何言ってんの！？ここ学校！学校の学っていう字の意味わかる！？」
「知らねぇ！！」
「あ〜〜！授業開始初日からこれか〜！もう俺無理だ〜！」
相変わらずこの三人は変わらないな。
伊之助教科書ないのか…明日全部持って来させて置き勉させよう。
ふと周囲を見ると大半の生徒が自分の席に着いていた。
私もそろそろ席に着こう。雄英生ってやっぱりこういうところはきちんとしてるな…。
「……１限目なんだっけ」
時間割とか気にせず全教科書を持ってくる系の生徒なので１限目の授業が何かを確認しないまま学校に来てしまった。
炭治郎に聞こうにも地味に席が遠い…。伊之助は論外だし…。
「おい、１限目は英語だぞ」
「…！そうなの？ありがとう！
私が適当に国語の教科書を机に出していると、隣の席の男子がこっそり教えてくれた。
彼は確か…えっと…そう、切島君だ。
「英語か〜……英語苦手なんだよね…。いや数学も苦手なんだけどね」
「俺もあんまり好きじゃねえなぁ…。やっぱ実技が一番だな！…あ、俺は切島鋭児郎！よろしくな！」
「切島君だね、よろしく！」
私が笑顔でそう返事すると、切島君は一瞬固まったがその後すぐに笑顔で「おう！」と返してくれた。
朝から友達が２人も出来てしまった。とても嬉しい…！
後で甘露寺さんに「お友達が出来たので楽しくやっていけそうです」ってLINEをしておこう。
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作成日時：2019年9月12日 2時
