甘い悪魔 2 __ Reo.S (ページ11)

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剛典さんとの一件があって

あの後、すぐ家に戻った

結局何も用意出来なかったな

今日はさやかの誕生日

『さやか、お誕生日おめでとう』

俺なりに精一杯気持ちを込めて言ったつもり

＂ごめんね、プレゼントとか用意出来なくて＂

そう告げると少しの間

あぁ、怒っちゃったかな

やっぱさすがに何も無いのはやばかったよな…

でもそんな時にいつも
俺の想像を覆すのがさやか

今までに無いくらいの笑顔で

さやか「玲於くんっ、ありがとね ✲ 」

… ちょっと、それ反則だろっ

『目、瞑って』

さやか「目？… どうして？」

『 ___ … 良いから、早く』

さやか「わ、分かった … はいっ」

不思議そうな顔をしながらも
ちゃんと俺の言う事を聞いてくれるさやか

そっと頬に触れると
小さく反応するその華奢な身体

静かに顔を近付け

お互いの唇が重なりそうに
なったその瞬間 ________

＂お前自分の立場分かってるよな？＂

脳裏をよぎる剛典さんの言葉

ここでさやかにキスをすれば
きっと俺は後戻りは出来ないだろう

この家に居る事ももう出来ない

… 駄目だ

俺は人差し指をそっと
さやかの唇に当てて静かに離した

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