ep3 ページ3
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「Aさんはネックレスとかあんま付けてませんよね」
「私ネックレスも指輪もつけない派なの」
と言いながらジュエリーショップにいるのもおかしいけど見てる分には楽しい。
「でも時計とかにはうるさい人でしょ」
「うん、時計はこだわりが強いかも」
「Aさんこういうの好きそう！」
ベッキョンくんが指さしたのは至ってシンプルな小さいハートがモチーフのブレスレット
「うん！私こういうシンプルなのが好きなの！」
「今露骨にテンションあがりましたよね？じゃあクリスマスプレゼントで買ってあげますよ」
しまった、つい。
あまりにも自分の好きなタイプのブレスレットだったしそれを見抜いたベッキョンくんもすごくて…
「いやいやいや！そんなの悪いし高いし、いいよいいよ」
「好きな人の前でくらいかっこつけさせてくださいよ」
おちゃらけた感じから一変ベッキョンくんが真面目な顔して言うから私は圧に負けた。
「じゃあ、お言葉に甘えて」
「じゃあハートの裏にベッキョン♡Aとか入れちゃいましょうか！」
「全力で嫌」
「ベクちゃん泣いちゃう」
本当に買ってもらってしまった。
「本当にいいの？」
「ははっなんで買ってから聞くんですか」
「申し訳なくて」
申し訳ない気持ちと嬉しい気持ちが入り混じって複雑なんですよ…
なんせ年下にこんな高価なもの。
しかも付き合ってもないのに！！
「素直に喜んでくれた方が嬉しいんですけど」
「実はすっごい嬉しい！ベッキョンくんありがとね！」
ほんとそのまま素直に嬉しがっちゃったよ、子供かよ。
「えっあっ、そろそろ晩御飯行きましょう。俺のオススメの店近いんで」
「あ、うん？」
それから店に着くまでベッキョンくんは顔を手で覆って私の顔を見てくれなかった。
耳まで真っ赤にして。
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作者名：ひとみ | 作成日時：2017年1月12日 14時
