自信家寂しがり屋のブラック本丸建て直し (ページ5)

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第4段階ページ5

陸奥守吉行side
初期刀として、
本丸最初の刀としての誇りをわしは持っちょった。

俺を顕現した人は物腰柔らかな青年だった。
そんな青年にはもう子供が居た。
俺から青年に見えても、その男の年齢は22。
世では大人と言われる年齢だった。
そして時が流れ、主が亡くなった。

孫の5歳の誕生日を見届けた後だった。
安心したのかもしれない。
坊っちゃんは母を早くに亡くして、
父である主とわしらがずっと育ててきて、
女子を連れて結婚の挨拶に来た時主は密かに泣いていた。
この本丸は強かった。とても。
1番低い者Lvで30、高い者でLv99だった。

そんな最前線の本丸を亡くなったからと言って、
手放すのは惜しいとなって残されたのだ。
主はその事を知っていたのか。
一人で悩んでいたのか。わしには到底分からなかった。

その後に来たものは人間の畜生だった。
擦り切れるほど戦場で使われ、
毎度毎度無事に帰る事が出来るのか、分からない状態だった。

重症になった刀剣は流石に使われなかったが、
手入れをされず刀に戻った者が多い。

そんな中、見習いであの女がやってきた。
審神者の男を誑かし、濡れ衣を着せ政府へと突き付け、
我が物顔で自分が今から主だと宣言し、
逆らうものに言霊を使い、夜には床に呼ぶ。
気に入った者は侍らせ、そばに置く。

まるで魔女のような女で、
こんな生活を送るくらいなら、
壊された方がマシだと言う、
同胞の言葉を聞いては唇を噛んだ。

もっと、わしが強ければ.......
あの女を八つ裂きに出来たのに.......。

そんな事を考えた夜は必ず主との夢を見る。

真一郎「むつ！俺に孫が出来たぞ！！」

陸「本当か！良かったじゃないか！主！」

真一郎「あぁ！これで俺は晴れておじいちゃんだ！」

陸「念願叶ったりだな！主！」

あぁ、とても楽しかった。
主、戻ってきてくれ.......。

手を伸ばすと握られる感覚がして目が覚める。

『おはようございます。
魘されてたみたいだったから.......！
すいません、勝手に手、握って。』

この男、主の孫を名乗る暖かい霊力の持ち主。
一昨日この本丸に来てあの審神者を探る動きを見せる子で、
どこか、主の面影を感じる。

あの女を八つ裂きにした後、
受け入れて貰えるなら、
主と呼ばせて欲しいと密かに思っている。