第3段階 ページ4
青柳side
陸奥守様が寝ると、僕は刀帳というものを開いた。
『名前、前主.......得意な事が書いてある。』
この刀帳というのは、
初代が後継に引き継いでいくものだと言う。
上書き保存される.......他己紹介のようなものだと、
こんのすけは言っていたから、
後継の間に増えた刀剣なんかが書かれていくのだろうな。
でも、初代.......おじいちゃんの時に大体の刀剣は、
揃っていたようだし、かなりな情報量が記載されていた。
『初期刀.......陸奥守吉行。
好きな物羊羹、快活な性格だが、
何かと抱え込む節があるから、気にかけること。
初期刀だからなのか、責任感を感じやすい。
得意な事、私の体調管理.......って、
おじいちゃんの体調管理やってたんだ笑』
なんだか、
おじいちゃんの時の生活が目に浮かぶようで、楽しい。
そんな事をしていると、気づけば朝だった。
『やってしまった.......笑
体に支障はないし、まぁ、平気か。』
陸「おまさん、寝ちょらんやろ。」
ジトリと見られ、少し肩が竦む。
『あー.......いやぁ.......昨日遅かっただけで.......
ほら.......まだ知らないことも多いし.......？』
陸「ほんま、あの人に似ちゅーな。」
『え？』
陸「なんちゃあない。」
『そっか。』
陸「お前さんにゃ、朝餉が出るはずだ。」
『朝餉.......朝ごはんの事か。
歌仙様と燭台切様が作っているのだよね。
歌仙様は風流を重んじていて、和食がお得意。
燭台切様は、好奇心旺盛な性格で、
和食以外のジャンルをよく作る.......だっけ.......？』
陸「どこから、その情報手に入れたんや.......。」
『えっ？あ、ほ、ほら、朝ごはん冷えるとアレだし！
急いで大広間行こ！あははは』
乾いた笑いが出た.......冷や汗出た。
めっちゃ心の中で喋ってる気がしてた！
友達とか居なかったからなぁ.......
並んで歩くとかいつぶりなんだろうって感じだし.......
もしかして、いつも口に出てたり.......！？
そうなったら大変だ！気持ち引き締めないと。
大広間で朝餉を食べる。
朝からケーキはキツい.......。
味はとても美味しかった。
だけど、朝からチーズケーキにチョコレートケーキ、
フルーツタルトをホール4分の1ずつ渡されるとは、
思ってなかった.......。
『これ、動いたら吐く気がする.......。
剣道の稽古は夜にしよう.......。
少し眠ろう.......そうしよう.......。』
口に出していたとは、思わなかった俺は
部屋に入り眠りについた
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