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｢キヨくん、部活は？｣
｢あー、俺は上手いから先に終わった｣
作業をする手を止めずに視線だけをチラッとあげると、どこか冗談っぽく言葉を弾ませながら、私が好きなくしゃっとした顔で笑った。
こんなに近くで見れるなんて。なんだか、さっきより暑くなった気がする。
その笑顔は夏にぴったりで、私には少し眩しくてそのまま視線を窓の外へと移した。
外はもう夕暮れ時。教室を照らす色はすっかり濃いオレンジ色に染まっていた。
グランドでは相変わらず運動部員たちが汗を流している。そこにはもちろんサッカー部も。
キヨくん、本当にいかなくていいのかな。
｢手、止まってんぞ｣
｢あ、ごめん｣
少しボーっとしていると、笑いを含んだ声で注意をされる。
ん、と差し出される資料。そっか、キヨくんが資料のまとめ係で私がホッチキス係、分担すればいいのか。
｢ありがとう｣
気が利くなあ、なんて思って差し出された資料を受け取ろうとすると、指先が重なった。
｢あっ｣
慌てて手を引っ込めて、小さくごめん、と呟いてみるものの、気まずさから少し俯いてしまう。
触れた指先が、そこだけに感覚が集まっているみたいにドキドキする。
そんなこと気付かれるわけもないのに、反対の手で隠すように触れた指先を握った。
私たちの間に静寂が広がる。
ドキドキと体に響く心臓の音と、サッカー部やテニス部の声に蝉の声。
一人でいた時とは違う熱を顔に感じる。
｢俺さ｣
キヨくんが私たちの静寂を割って声を出す。
その声はすごく耳に心地良くて。
｢好き、なんだわ｣
Aちゃんのこと、と続いたその言葉と同時に窓から風が吹き込み、カーテンがぶわっと膨らむ。
私が見ている景色、聞いた言葉、全部が全部少女漫画みたいで思わず目を見開いた。
その時、机の上のまだまとめていない資料が風で飛ばされる。
頭の中がキヨくんの言葉でいっぱいで、それから気を逸らすために落ちた資料を拾おうと勝手に体が動いた。
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ぽっぽ(プロフ) - りなさん» コメントありがとうございます。わわわ、とても嬉しいお言葉...!!私は嬉しくてハゲそうです...! (2018年2月21日 22時) (
レス) id: 5326fc1be3 (このIDを非表示/違反報告)
りな(プロフ) - どうしよう！文章の書き方が私好みすぎてハゲそうです！ (2018年2月21日 22時) (レス) id: 033c473335 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鳩ポッポ | 作成日時：2018年2月20日 16時
