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横に並ぶときにちらりと見えた横顔は、またころっと変わって夕日の光に照らされているのに寂しそうに見える。
それも、今度は泣きそうなくらいに。
｢どうしたん？｣
その表情を見てしまったら、隠そうとしていた不安がぽろりと零れて言葉になる。
俺の気持ちを感じ取ったのか、それとも本当に寂しかったのかはわからないけど、彼女はまっすぐ前を見つめながら口を開いた。
｢なんでもないよ｣
言葉の割には切なさそうに微笑む彼女に、ドキッと胸が鳴る。
絶対、なんでもないわけないやん。
その言葉が形だけということは、名探偵レトルトにはバレバレやで。
そんなことを言葉にする前に、ふと気が付くと、目の前には彼女の家があった。
あれ、いつの間にここまで歩いてきたんだろう。
｢じゃあ、また連絡するね｣
さっきと変わらない表情で微笑みかけてくる彼女を、帰したくない、なんて思ってしまった。
俺に背を向けて家の方へと歩いていく彼女へと手を伸ばす。
｢待って｣
手首を掴んだ俺の手と、思ったより真っ直ぐ響いた声に、どうしたの？と驚いた様子で振り返る。
引き留めたのはいいけど、ここからのことを何も考えていなかった。
帰したくない、なんて俺のキャラでもないし、ましてやそんなクサい台詞を吐けるわけもない。
何の言葉も出てこないまま、遠くの方でカラスの鳴き声が響く。
辺りもさっきと比べると大分落ち着いた色味に変わってきている。
彼女は急かすわけでもなく、ただじっと俺を待ってくれていた。
｢なんか、えっと、今日は一緒にいたいなあ、って｣
勇気を振り絞って出した声は、彼女を引き留めた時と比べると随分と弱々しくてなんだか情けなくなる。
それでも彼女には届いていたようで、俺の言葉を聞いて、目をまん丸くしてからすぐに目を細めて笑った。
｢うん、わたしも｣
今日の空気と同じくらいに透き通った声を聞いて、急に力が抜ける。
それと同時に彼女の手首を掴んでいた俺の手も力なく離れ、俺の体の方へと戻ってくるかと思ったら、今度は彼女に手をとられた。
そのままキュッと手を握られ、家に背を向けて再び歩き出す。
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ぽっぽ(プロフ) - りなさん» コメントありがとうございます。わわわ、とても嬉しいお言葉...!!私は嬉しくてハゲそうです...! (2018年2月21日 22時) (
レス) id: 5326fc1be3 (このIDを非表示/違反報告)
りな(プロフ) - どうしよう！文章の書き方が私好みすぎてハゲそうです！ (2018年2月21日 22時) (レス) id: 033c473335 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鳩ポッポ | 作成日時：2018年2月20日 16時
