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そんなどうでもいいような、なんだか引っかかるようなことでうーん、と頭を捻っていると、パンッ！とスターターピストルの音が響いた。同時にわああっと騒がしくなる応援席。
始まった。
もしキヨくんがトップでゴールして、私たちのチームが1位になったら。
そんな漫画みたいなこと、正直言って実感が湧かなかった。
でも私たちのすぐ前を走り抜けていく選手を、次の走者に手渡されるバトンを見ていると、現実なんだと思わされる。
バトンが繋がっていく度に、まるで私の体が心臓になったかのように鼓動が大きくなっていく。
ああ、お腹が痛い。
緊張から手をぎゅっと握ると、応援席の声が一段と大きくなった。
”さあ！最後の一周です！どのチームが勝つのでしょうか！”
スピーカーから聞こえる実況の声も熱がこもる。
ついに、か。
走者を見てみると、やっぱり脚の速い人が揃っている。
チームのアンカーであるキヨくんにバトンが渡った順番は3番目だった。
なんだか勝ってほしいような、負けてほしいような、複雑な感情が絡み合う。
そんな私の葛藤も虚しく、キヨくんはあっという間に前の走者を抜いて2位を走っていた。
校庭一周なんて一瞬で、もうあと半周もない。
1位との距離もほとんどなくてどっちが勝ってもおかしくない状況だ。
そんな状況だから、応援の声はこれ以上ないくらいに大きくなる。
みんなが良い結果を望む中、私は今までにないくらいの緊張から悪い結果を望んでしまう。
このまま2位でゴール、このまま2位でゴール。
下を向いて心の中で強く願った。
その時、さっきまでなかった強い風が吹き付ける。
その風はなんだか、心をくすぐる香りがしたような気がして私はパッと顔を上げた。
私の目には、必死に走るキヨくんの姿が映る。頭の中に、応援するよと言った後の去り際に見せた、あの大きな笑顔が浮かんだ。
ああだめだ。やっぱり私、キヨくんのことが好き。
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ぽっぽ(プロフ) - りなさん» コメントありがとうございます。わわわ、とても嬉しいお言葉...!!私は嬉しくてハゲそうです...! (2018年2月21日 22時) (
レス) id: 5326fc1be3 (このIDを非表示/違反報告)
りな(プロフ) - どうしよう！文章の書き方が私好みすぎてハゲそうです！ (2018年2月21日 22時) (レス) id: 033c473335 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鳩ポッポ | 作成日時：2018年2月20日 16時
