校庭の真ん中で、 【ky】 ページ12
”次は最後の種目です。リレーに出場する選手は10分後に集まってください”
放送部のアナウンスとともにグラウンドはより一層騒めきを増す。
私は仲のいい友達が放送部の子ばかりで、体育祭は憂鬱の行事。
暑いし、運動音痴だし、俗にいうカースト上位の子はなんとなく怖いし。
でも一つだけ楽しみがある。
それは、いつもクラスの中心にいるキヨくんの活躍を見ること。
校庭端の木陰に座りながらチラッと賑わいの方に目をやると、やっぱりみんなに囲まれている。
応援したいけど、近づけそうにないかな。
｢はあ｣
普段の学校生活ではチキンな私なりに隙を見つけて、頑張ってキヨくんに話しかけたりはしている。
だって、好きなら近づかなくちゃ、って思うんだけどやっぱり取り巻きというか、ファンというかがどうしても怖い。
私と仲の良い友達はそんなこともへっちゃらで、キヨくんともその取り巻きの子とも仲良くできるからすごいと思う。
いつもなら、あんたは気にしすぎ！ほら行ってこい！と背中を押してくれるのに、その子も今日は遠い放送部席にいる。
｢やっぱりチキンだー｣
あー、と独り言をつぶやくと担任のハゲがどこからか現れて、ほら、お前も応援してこいよ！と私の気持ちなんて知らずに暢気に笑いながら、ふらっとどこかへ行ってしまった。
｢先生はいいなあ、のんきで｣
ネガティブなことなんてあのつるっとした頭ではね返しちゃうんだろうなあ。
そんな馬鹿なことを考えていると少しだけ気分が晴れた気がする。
このことを後で友達に言わなきゃ、と一人で小さく笑みをこぼしていると、風にのってふんわりと柔軟剤のようないい香りがした。
｢俺からしたらAものんきだと思うけどな｣
その香りと一緒に頭上から声がふってくる。
驚いて顔を上げると、にんまり笑ったキヨくんがいた。
｢わわわわわ｣
｢どんな反応だよそれ｣
私の頭を埋め尽くしている本人登場で変な声を出してしまったのに、馬鹿にするでもなく面白そうに笑って隣に座ってくるキヨくんはやっぱりかっこいい。
いやいや、そうじゃなくてなんで座ったの？なんでこっちに来たの？
慌てて我に返ってさっきまでキヨくんがいたはずの方向を見てみると、キヨくんの周りにいた人たちはいつもと同じく楽しそうにお喋りをしていた。
あれ、私夢でも見てたのかな。
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ぽっぽ(プロフ) - りなさん» コメントありがとうございます。わわわ、とても嬉しいお言葉...!!私は嬉しくてハゲそうです...! (2018年2月21日 22時) (
レス) id: 5326fc1be3 (このIDを非表示/違反報告)
りな(プロフ) - どうしよう！文章の書き方が私好みすぎてハゲそうです！ (2018年2月21日 22時) (レス) id: 033c473335 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鳩ポッポ | 作成日時：2018年2月20日 16時
