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私は椅子から降りて、散らばった紙を集めるために床にしゃがみこむ。
キヨくん、冗談だよね。冗談好きだもんね。
そう自分に言い聞かせながらも、笑い飛ばせないのはちょっと期待している証拠で。
資料を集め始めると、キヨくんも椅子から降りて同じようにしゃがみこんできた。
机という障害物がなくなったせいで、必然的に私たちの距離は近くなる。
それにびっくりしてキヨくんの顔を見てしまったのがいけなかった。
｢返事は？｣
資料を拾おうとしていた手を掴まれる。
いつものおちゃらけて笑う姿からは想像もできないような真剣な顔で見つめてくるキヨくんは、私の期待している心をくすぐった。
返事なんて、そんなの、いいのかな。
｢私も、好き、です｣
キヨくんのその真剣な顔から目が離せないまま、少し戸惑いながらも呟く。
それは一瞬のことだった。
掴まれていた手をぐいっと引かれる。
少し前のめりになる体。
そしてキヨくんの顔がドアップで映ったかと思うと、唇が重なった。
外からはカキーンとボールがバッドに当った音と野球部の歓声が響く。
またぶわっと吹いた風は、机の上にある残りの資料を宙へ舞わせた。
資料が床に落ちる頃、ゆっくりと顔を離される。
私は何が何だか、もう頭も体も、もちろん心もついていけない。
でも目の前でいつもとは違う、どこか照れくさそうに笑うキヨくんを見ると、ああ、夢じゃないんだ、と確かに感じた。
部活も終わる時間なのか、外からは誰の声も聞こえなくなっていた。
その代わりに校舎の中で遠くから、部活が終わった人たちの声が響く。
だんだんオレンジ色が消えていく教室の机の陰で、誰も知らない、小さな秘密ができた高校生の夏。
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お題サイト:
『確かに恋だった』 学校でする7題 より
高校生の夏って聞くだけで妄想が止まらない
金属バットにボールが当たる音って、
すごく盛り上がると思う
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ぽっぽ(プロフ) - りなさん» コメントありがとうございます。わわわ、とても嬉しいお言葉...!!私は嬉しくてハゲそうです...! (2018年2月21日 22時) (
レス) id: 5326fc1be3 (このIDを非表示/違反報告)
りな(プロフ) - どうしよう！文章の書き方が私好みすぎてハゲそうです！ (2018年2月21日 22時) (レス) id: 033c473335 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鳩ポッポ | 作成日時：2018年2月20日 16時
