【twst】NRC生が敵連合に拾われ雄英高校に行く話【MHA】 (ページ10)

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◇０９「入試終了」ページ10

『なんでこんなアホを助けた！ベルに得がないだろ！しかもコイツ、オレのベルに抱き付きやがって！』

「私はアダムのものじゃないし、彼に掴まれって言ったの私だし」

『でも！！』

「でもじゃない。…あ、ごめんなさい。そこの貴方、彼の事お願いできるかな」

「…え、えぇ！？私！？」

さっきからジッとこちらを見ていた、恐らく先程瓦礫に足を挟まれていた子と同一人物だと思われる女子生徒にこの男子生徒は任せといて、私はさっさと別の所に移動する。

アダムを実体化させるのには多大な魔力を要する為、普段は霊体化させている。霊体化状態の彼を視認出来るのは主人である私だけだ。
それ故に彼と会話していると独り言だと思われてかなり目立つので、さっきから色んな人に見られて恥ずかしい。

「ほ、ほらアダム！行くよ！」

『ﾁｯ…覚えてろよこのクソが』

「アダム！」

『わぁったよ！クソ…』

***

受験が終わり、他の生徒達は私達から視線を外し、地面にぐったりと倒れ込んでいる緑髪の男子生徒に注目し始めた。
…あの子、手とか大丈夫なのかな。

『…おい、行くんだろ』

「…分かってるよ。さっさと帰ろ」

…別に彼がどうなっても私には関係のないことだ。
私は自分にそう言い聞かせながら受験会場を後にした。

***

「ただいま戻りましたー」

「遅い」

『あぁ！？んだとテメェ！』

「…誰だこいつ」

わかってはいたけど、労いの言葉の１つもないのか。この死柄木弔という男は。
しかもアダムを連れたまま帰ってしまったので彼の存在がバレてしまった。

「…彼はアダムです。えっと、その…」

『おい、やっぱコイツの所にいるのは危な…』

「アダム、話がややこしくなるからちょっと一旦戻ってて」

『あ、おい待て！』

私がマジカルペンを一振りすると、アダムはキラキラと輝く金色の粉を残して消えていった。

「…おい、説明しろ」

「は、はい……」

絶対にこうなるから言いたくなかったのに、バレたからには説明せざるを得ない。
面倒臭いが、一応これから世話になる相手だしちゃんと説明するしかない。