【twst】NRC生が敵連合に拾われ雄英高校に行く話【MHA】 (ページ8)

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◇０７「空高く」ページ8

あの後も順調にポイントを稼ぐことができ、私のポイントは既に７０ポイントを超えていた。

「…にしても、残骸が多くて動きにくいな…」

他の生徒が倒した仮想敵の残骸が多くなってきたのか、なかなか思うように動けない。

「空でも飛べたら楽なのに…」

…そうか、空か。
市街地なら箒くらい置いてあるのでは？思い立ったらすぐ行動がモットーなので、私は店を模しているであろう建物に入り、良さげな箒を探し始めた。

「…！あった！」

少し脆そうだけど、受験で使うにはこれくらいでいいだろう。
私は路地裏に移動し、誰にも見つからないようにゆっくりと慎重に箒に魔力を込め始める。

元が魔法道具じゃない以上、いつも以上に慎重にしないと下手したら上空で魔力が切れてしまう可能性がある。気をつけなければいけない。

…それにしても、さっきからあっちの方がやたら騒がしい。
地響きが凄いし、誰かが暴れてるのか？
いや、それにしては音がデカ過ぎる。もしかしたら０Ｐの仮想敵が現れたのかもしれない。
それなら尚更早く空に逃げた方がいいだろう。

「…これでいけるはず」

私は横向きで箒に座り、そっと地面を蹴った。
箒は私に応えるようにふわりと宙へ浮き、そのままぐんぐんと空高く舞い上がる。

「よし、ギリギリセーフ…！」

やはり、私の読み通りにあちら側で巨大な仮想敵が暴れ始めていた。
あの敵に遭遇しないように残った仮想敵を片付けよう。

「……」

…あそこにいるのは受験生か？
瓦礫に足を挟まれてるのかな。あのままじゃあの子…。

でもきっと受験で死ぬ事はないだろうし、何より私には関係ない。さっさと残りのポイントを稼ぎに…

「スマァァッシュ！！」

「…は？」

…一瞬の出来事だった。
さっきまで地面にいた１人の受験生が“個性”を使い私がいる高さまで一瞬で飛び上がり、０Ｐの仮想敵に強烈なパンチをお見舞いしたのだ。

この子、さっき見た緑髪のあの生徒だ。
あんなになよなよしてるのに“個性”はこんなにも強いのか…？
きっと、あの瓦礫に足を挟まれてる茶髪の女の子を助ける為に力を使ったのだろう。わざわざ０Ｐの仮想敵に立ち向かうなんて…。
流石“ヒーロー志望”は精神構造が私と違う。

「……」

…カッコつけて０Ｐの仮想敵に立ち向かったのはいいけど、彼の様子がなんだかおかしい。
なんというか、その…

…この子、落ちてない？