【twst】NRC生が敵連合に拾われ雄英高校に行く話【MHA】 (ページ25)

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◇２４「日本の食堂」ページ25

【食堂】

「うーん！お米おいしい！」

「麗日さん、お米好きだね…。綺瀬さんはカツ丼？」

「あはは、別にAでいいよ！カツ丼って初めて見るから珍しくて頼んじゃった！」

「君、カツ丼食べたことないのか！？」

「え？う、うん…」

一度、ユウが「俺のお母さんが作ってくれるカツ丼は絶品」って言ってたのを思い出したから頼んでみたんだけど、こっちじゃメジャーな食べ物なのかな。

「Aちゃんって…に、日本人よね！？」

「そ、育った国が違うというか…」

育った国も違うしそもそも日本人じゃないし…。
でも「え！私は輝石の国のど田舎出身だよ～！」とか言えないしな。
私は苦笑いで３人からの視線を流しつつ、頼んだカツ丼を写真に収めた。あとでマジカメにあげよう。

「…はぁ、いざ委員長をやるとなると務まるか不安だよ…」

「デク君なら大丈夫！」

「うん、きっといけるよ！」

「大丈夫さ。緑谷君のここぞという時の判断力は他を牽引するのに値する」

どうやら緑谷君に投票したのは天哉君だったらしい。
自分もやりたかったののどうして他人に入れるんだ？絶対に自分に入れた方がいいのに。…善人の思考は理解しかねる。
お茶子ちゃんも同じ事を考えていたようで、その疑問を天哉君に直接聞いていた。

「やりたいと相応しいか否かは別の話だ。僕は僕の正しいと思う判断をしたまでだ」

「ぼ、僕！？いつもは俺って…」

「あっ、いや…」

「ちょっと思ってたけど…飯田君って、坊ちゃん？」

お茶子ちゃんはかなりざっくりと言葉にするタイプらしい。
どうやら天哉君は坊ちゃん扱いされるのが嫌で一人称を変えていたらしい。
デュースもそうだが、いわゆる高校デビューというやつか。
しかもお兄さんがプロヒーローとか最強じゃないか。やはり家族と同じ職業に就きたいと思うのは子供の運命なのだろうか。
私の母は元々有名な女優だったがそれが原因で亡くなったし、単なる憧れだけじゃやっていけない。…天哉君はあらゆるリスクを受け入れた上でヒーローを目指しているのだろう。

「あ、あのさ飯田君。実技入試のことだけど…」

出久君が天哉君に何かを言おうと話しかけた瞬間、学校中にけたたましい警報音が鳴り響き全校生徒に避難指示が出された。

…やっと動いたか。
全員が焦って食堂から出て行くので当然廊下が混雑する。
私はその混雑を利用して、皆とはぐれたフリをしながら逆方向へと向かった。