【twst】NRC生が敵連合に拾われ雄英高校に行く話【MHA】 (ページ2)

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◇０１「開幕、プロローグ！」ページ2

幾つも聳(そび)え立つ高層ビル。

夜の街を彩るネオンの光。

鳴り響く車のクラクション。

楽しげに店先で駄弁る学生達。

恐らく買い物帰りと思われる優しそうな主婦と、そんな母の手を必死に掴む愛らしい子供。

恐らく見回りをしているであろう奇抜な格好をした人達。

そんな彼らに称賛の言葉を送る人々。

そんな“日常風景”を逆走していく一人の学生。
白黒のネクタイを揺らし、涙を堪えて息を荒げながら人気(ひとけ)のない路地裏へと駆け込む。
学生は右手に万年筆を握っており、そのトップに輝く赤い宝石は学生の足元を照らす為にキラキラと光り輝いている。
そして空いているもう片手で大量の荷物を抱えており、それらが学生の視界を邪魔するせいで足が絡れて度々転びそうになっている。

急いだところで行く宛もない学生は、ただただこの現実から逃れたい一心で暗闇を走り続ける。

「誰か助けて…っ」

不意に零した言葉は誰にも聞かれることもなく夜の空気に溶けいった。

***

＿＿＿今日は何があったんだっけ。

まず、今日の１限目がバルガスの授業だったのは覚えている。
彼に会うたびに毎回絡まれるから嫌でも記憶に残るし、何より手元に体操着が入った袋があるのが授業があった証拠だ。

次に…、そうだ。食堂でラギー先輩にサンドイッチを盗られたんだ。
私が楽しみにしていたふわふわ卵のサンドイッチと、新鮮なフルーツと濃厚な生クリームがたっぷり使われたフルーツサンド。
ラギー先輩に「お、それ美味しそうッスね」と言われた時にはすでに彼の手に私の昼飯とデザートは渡っていた。
横で爆笑してるエースに一発お見舞いした後に昼飯を買い直す為に購買に行って、…あれ、何を買ったんだっけ。もう覚えてないや。

放課後は寮服や体操着を洗濯する為に寮に服を取りに行って…あぁ、それから誰かに呼び出されて鏡の間に行ったんだ。
特に行事系は何もなかったはずだけど、やけに生徒が多かった気がする。
そこには同学年の人も先輩も寮長達も居て、それで…

＿＿＿『ベル！危ない！』

＿＿＿＿＿＿＿＿＿

＿＿＿＿＿＿

＿＿＿

「おい、聞いてんのかガキ」

そして、今はこの謎の男達に捕まっている。

「いけませんよ死柄木弔。そのように乱暴に聞き出そうとしては」

嗚呼、一体私が何をしたと言うのか。
私はこれからどうなるのでしょうか。誰か、誰か助けてください。