桔梗 ページ24
公園の木々で良い感じに日陰になったベンチに座り、雲ひとつない空をぼんやり見ながらお酒を飲んだ。
荼毘くんには「俺は忙しいっつったろうが」とフラれてしまった。
はれてニートになり時間を持て余していたので、1度やってみたかった"真昼間から仕事もせずに公園で酒を飲む"ということをしている。
深い意味は無い。
昼間の綺麗な青空は、荼毘くんの目より明るく薄い色だ。
「荼毘くんは…そう、日が登りきる前の…えっと、なんだっけ……」
言葉が上手く出なくてもう一口お酒を飲み込んだ。
「えーと…んん、夜明けの言い方、なんだっけ……？？」
お酒のせいか、ド忘れなのか。
「まぁいいか」
考えなければいけないことはいくつかあった。
そのどれもが自分の事というのが何とも言えず、やる気が起きない。
気分転換になれば、なにか浮かぶんじゃないかと外に出た。
せっかくなら久々にとコンビニでお酒を買って、今に至る。
胸元でゆらりと光ったように見えた荼毘くんの炎に、尚更頭を抱える。
荼毘くんの目的は何なんだろう、分からない。
ステインの意思に感化されていると言うには、連合メンバーとの会話や行動はそれにそぐわないように思う。
ステイン、ヒーロー殺し……。
何か引っかかるのに正体が分からない。
「あーもうーー！」
お酒なんか飲むんじゃなかったな、思考を放り投げて四肢をグッと伸ばした。
「かえろ」
お酒も、中身が無いのであればゴミ箱に捨てておけば良いだろう。
公園を出て、なるべく人通りの少なそうな路地を歩く。
ふらりふらりと歩いていると、いきなり路地裏に引きずり込まれた。
思わず「ぇ……？」と声が出る。
私を引っ張った正体に目をやって、また少し驚いた。
荼毘くんだったからだ。
でも、私の知っている荼毘くんではないように感じた。これは……
「トガちゃん…？」
「誰が"トガちゃん"だ、イカレ女と一緒にすんな」
「えっ……あれ？違った…？」
「…正解です」
どろりと荼毘くんが崩れてトガちゃんが姿を表した。
「え、何これ、え？」
訳も分からず戸惑う私に、トガちゃんはクスりと笑う。
「実はですね、賭けをしたんです」
歩きながら話しましょうと私の前を歩き出したトガちゃんがそう言った。
「賭け…？なんの？え、というか何で賭け？」
「Aちゃんが、ニセモノの荼毘くんを見抜けるかどうかです」
クスクスと楽しそうに笑うトガちゃんに、益々疑問が増える。
何か楽しい事でもあったのかな……？
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m(プロフ) - コメント失礼します。どちらのエンドも作ってくださるとは本当に有難いです。これから、更新再開にワクワクした気持ちで待つのが楽しみです。これからも心より応援しております。この作品を作ってくださり、読者のことを考えてくださり、本当にありがとうございます。 (2023年2月10日 21時) (
レス) @page36 id: 0d9b393e0f (このIDを非表示/違反報告)
どこぞのオタク - ぅぴゃぁ 尊い (2023年1月22日 17時) (レス) @page25 id: 625a6655ea (このIDを非表示/違反報告)
モブZ(プロフ) - 話の内容や主人公の性格性とか荼毘の言動とかめっちゃ好きです！更新頑張って下さい！ (2023年1月22日 2時) (レス) @page24 id: 4e3074e3cf (このIDを非表示/違反報告)
燈 - 社畜に年末年始など無いのです。更新遅くてすみません、気長に待って楽しんでいただけたら幸いです。コメントありがとうございます。励みになります。 (2022年12月28日 14時) (レス) id: 9e19da6f1a (このIDを非表示/違反報告)
かもめさ - 最高すぎます…！！！もう好きでしかないです。更新を楽しみにしています！！！ (2022年12月21日 11時) (レス) id: 41ebbd34c2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：燈 | 作成日時：2022年12月7日 11時
