49__証。 ページ49
夕食を済ませると、
昨日と同じようにココアが出された。
「俺の誕生日、終わっちまうな。なんも貰ってねぇんだけど。なァ？Aちゃん？」
意地悪な顔をして私に迫ってくる
『…ごめんね、何も用意出来てなくて。』
ずっと頭がばかになっていたから本当に何も用意出来ていない。
私だって誕生日は何かして欲しいもん。
何も出来ないなんて最悪だぁ…………。
「俺、欲しいモンある。」
『何？…高いものはやめてね？笑』
「Aが欲しい。」
そう言うと小さな箱が出された。
蓋を開けると綺麗なリングが光って
「結婚してくれ。」
「俺の嫁に、なって欲しい。」
『……う………………そ…』
「クソデクのやつ指輪あげてねぇなんてありえねぇみてぇな言い方しやがって。この日の為にずっと用意してたんだよ…。」
そう言う勝己の顔は赤かった。
勝己の誕生日なのに、
私が指輪を貰っちゃって、
記憶を取り返してもらっちゃって、
勝己の隣を貰っちゃって、
どこまでも幸せで胸がいっぱいで涙が溢れて、
「言っただろ、俺が絶対守ってやるって。」
愛おしくて堪らない。
「オメェ、俺に一生ついて来る気あんのかよ？」
『……………あるに決まってんじゃん…っ』
そう言うと勝己は私の左手を手に取り、薬指に指輪を通した。
勝己は同じリングを自分ではめようとしていたので、私はそれを奪い取ると彼の薬指にはめた。
そのまま私は勝己の胸の中に吸い込まれる。
勝己の温かさと勝己の匂いと勝己の音。
「なァ、俺10日間もお前のこと我慢してたんだよ。」
「今夜は寝かせねぇぞ。」
それから私達は互いの目を見つめ、
ゆっくりとキスを交わした。
『……………………かつき。』
「……っ…………………A、おかえり。」
4月20日、彼氏の誕生日の日に
一番大切なものを手に入れた。
最愛の人と私の指に
鮮やかに光るソレは
困難を乗り越えた私達を物語る
確かな私達の記憶のカタチで
かけがえのない愛の証だった。
【爆豪勝己】4月20日、彼氏の誕生日の日に
ーFinー
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華(プロフ) - 緑風さん» ありがとうございます！また新しい作品が書けたら書きたいので是非よろしくお願いします...！ (2019年9月30日 11時) (
レス) id: 829e9099e6 (このIDを非表示/違反報告)
緑風 - もっと早くこんな作品に出会いたかった！主人公の記憶が塗り替えられていく過程がすごく印象的でした。感動しました。このままどんどん続編読んでいきますね！ (2019年9月17日 1時) (レス) id: b476641bcb (このIDを非表示/違反報告)
華(プロフ) - ＊あまふく＊さん» ありがとうございます！あああ続編まで本当に嬉しいです(T_T)これからもよろしくお願いしますm(_ _)m (2019年3月6日 20時) (レス) id: 3752a9b114 (このIDを非表示/違反報告)
＊あまふく＊(プロフ) - かっちゃん推しなんで嬉しいです！記憶が反対になってしまうなんてなんて切ない...！！泣きました。続編なども見させてもらってます！これからも頑張ってください！ (2019年3月5日 23時) (レス) id: cfae17b029 (このIDを非表示/違反報告)
華(プロフ) - ミライさん» そのお言葉が大変嬉しいです(T_T)(T_T)こちらこそ本当にありがとうございます！！ (2019年2月18日 2時) (レス) id: bddee0af4f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：華 | 作成日時：2019年1月2日 0時
