22__海と勝己�� ページ22
それからホテルに着くと驚いた。
………最高級スイートルーム。
流石爆心地だなとか思いながら、私はその広すぎる部屋に足を踏み入れて荷物をかけた。
「風呂入ってこい。」
『ありがとう。』
勝己に促されてお風呂に向かうと、それは漫画で見るような綺麗でお洒落なお風呂で驚いた。
バスタブには白濁のお湯が張ってあってバラの花びらが浮いていた。
…………現実にあるんだ。
そんな事を思いながら身体を洗い、
私は湯船に足を通した。
真っ赤な薔薇に白濁のお風呂。
轟くんみたい。
ーーーーー
「落ち着いたか？」
『うん、お風呂綺麗だった。』
その後勝己もお風呂に入り一緒に夕食を済ませ、
私達はベッドに腰掛けながら会話を交わしていた。
窓の外には綺麗な夜景が広がっていて、
その景色に私はすっかり魅了された。
『ねぇ！見て窓の外！綺麗！』
「A」
不意に名前を呼ばれて振り向くと、
(パシャ)
突然写真を撮られた。
『ちょっと…！』
「あ？いいだろ別に。こういうのも悪くねぇ。」
私は一瞬顔を曇らせたが、まあいいかなと思ってきてまた窓の外の景色に目を戻した。
『あっ！あの遊園地！昔一回だけ行ったことがあるんだけど、轟くんを連れて行ってね…！』
「おめぇ、本気で言ってんのか…？」
震えた声が聞こえて振り返ると、
さっきまでの笑顔を失った勝己が私を見ていた。
どうしたの？
私何か変なこ…と……………
『………勝己あの遊園地行ったこと…ある？』
知ってる。
そんな事聞かなくても。
「一度だけ、お前に連れていかれてな。」
私が一緒に行ったのは轟くんじゃないって。
勝己が用意してくれた日に、
映画館でのことを話すよりも先に、
私は直接勝己を傷付けてしまった。
気がついたら知らないうちにこうして嘘の記憶が私を支配している。
そんな自分が怖くて情けなくてどうしようもなくてただ謝る事しか出来なかった。
さっきの海での誓いがよぎる。
その日は甘いキスも、優しさも、
全部心を締め付けて痛かった。
今夜はお互いを身体に刻み込むように、
忘れないように必死で、
温かいけど、
何処か悲しくて切ない時間だった。
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華(プロフ) - 緑風さん» ありがとうございます！また新しい作品が書けたら書きたいので是非よろしくお願いします...！ (2019年9月30日 11時) (
レス) id: 829e9099e6 (このIDを非表示/違反報告)
緑風 - もっと早くこんな作品に出会いたかった！主人公の記憶が塗り替えられていく過程がすごく印象的でした。感動しました。このままどんどん続編読んでいきますね！ (2019年9月17日 1時) (レス) id: b476641bcb (このIDを非表示/違反報告)
華(プロフ) - ＊あまふく＊さん» ありがとうございます！あああ続編まで本当に嬉しいです(T_T)これからもよろしくお願いしますm(_ _)m (2019年3月6日 20時) (レス) id: 3752a9b114 (このIDを非表示/違反報告)
＊あまふく＊(プロフ) - かっちゃん推しなんで嬉しいです！記憶が反対になってしまうなんてなんて切ない...！！泣きました。続編なども見させてもらってます！これからも頑張ってください！ (2019年3月5日 23時) (レス) id: cfae17b029 (このIDを非表示/違反報告)
華(プロフ) - ミライさん» そのお言葉が大変嬉しいです(T_T)(T_T)こちらこそ本当にありがとうございます！！ (2019年2月18日 2時) (レス) id: bddee0af4f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：華 | 作成日時：2019年1月2日 0時
