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私と人使は、普段の会話はほぼゼロ。
深夜か朝の会話だけ。
この時期になるとヒーロー科編入志望の人使はクラスにはほぼいないし、私は授業が終わったら夕方から夜中までバイト。
人使にとっても、私なんか、都合のいい人間。
私は恵まれていない。
両親の離婚、祖母の他界、友人ができない高校生活、
＿＿″個性″。
もうずっと、ずっと、辛い思いをして生きてきているのに。
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｢……綾？聞いてる？｣
｢あ、ごめんごめんケンちゃん！なんて？｣
この世界での私は″綾″。
とはいっても、レンタル彼女、なんだけど。
ずるいけど、年齢は詐称して19って言ってる。
｢いや、なんでもない、綾疲れてるだろうし……オレも仕事ですごーく疲れちゃったからさ…………そろそろ休憩しよっか？｣
時々ルール違反を平気でしようとする人もいて。
｢えー！綾、もうちょっと外でぶらぶらとデートしたいよぅ｣
……そう人生って上手くいかないんだよね。
｢オレ疲れてるんだよ、彼女なら言うこと聞いて｣
｢ちょ……っ、まっ！｣
既に人通りの少ないこの道では助けなんてこないし
また今日も……
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ベッドの上で浮かぶ空気が煙たい……
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作者名：桜ドロップ | 作成日時：2023年1月20日 21時
