恵み【心操人使】 (ページ13)

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あの日の夜明け。

根津校長、ヒーロー科であるＡ組とＣ組の先生に呼ばれ、警察と共に事情聴取を受けた。

人使がついてきてくれたおかげで除籍処分は免れた。

というより人使が回避させてくれた。

担任の先生には気づけなくてごめんと言われた。

根津校長には君は優秀な生徒だから、私が全力で援助するのさ！と言われた。

ただ夜中に出歩いていたという理由で3日間の寮内謹慎となった。

クラスのみんなが笑って｢恵(めぐみ)、待ってるぞー｣と言ってくれた。

私の"個性"は"恵"

恵家、長いこと遺伝により引き継がれた"個性"だ。

とぼしい人に物を与える、とか言葉自体にそんな意味があって、基本的には(・・・・・)相手に幸せを与えて、自分は恵まれない。

私は、父が"恵"の"個性"を持っていた。

離婚の理由は母の、不倫。

父は母に幸せを与えたのにも関わらず、自分は辛い目にあったのだろう。

人によってはタイミングや出来事がバラバラだった。

祖母はきっと"恵"で私のことを今まで助けてくれて、他界した。

そして私が不幸せになる恵まれないタイミングがこの高校生活なんだろう。

だとしたら私は誰に"幸せ(めぐみ)"を与えられる？