恵み【心操人使】 (ページ2)

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(結局寝られなかった……)

外は完全に明るい、朝6時。

静かに1階へ降りてシャワーを浴び、

部屋に戻って学校に行く準備をしながら自分のスマホを手に取った。

｢あ、もしもし？｣

『…………ん、……A』

｢朝だよ、｣

『…………ああ』

返答までにめちゃくちゃ間がある電話の相手は同級生の心操人使

ああ見えて朝がすごく弱いらしい

いつからか毎日のようにモーニングコールをしている。

｢起きた？｣

『…………A、俺の部屋きて』

｢あー……はいはい｣

明らかにまだ布団の中であろう、ガサガサと聞こえる音が耳に響いてうるさい。

私たちは5階の部屋であり、この階は女子は私1人

この毎日のルーティンをまわりの皆には知られていない。

｢入るよ｣

ノックをし声をかけても返事がないが容赦なく部屋に入った。

案の定、彼は布団の中で丸まっていた。

｢人使、昨日も特訓お疲れ様｣

｢んん……A……いい香りするな｣

｢うん、シャワー浴びついでにトリートメントしたからね｣

無言で布団から両手を伸ばしてくる彼に、倒れ込むように体重を預けると、彼は私の髪の毛を撫でた。

最近、A組の担任の先生と毎日のように特訓をしているようで筋肉もがっしりついてきたのはいいことだけど、目の下に隈を作っているとなんだか可哀想に見えてくる。

｢そろそろ起きないと遅刻しちゃう、人使｣

私たちは2人とも朝食は基本食べない派である。