轟くん、その４１ ページ1
放課後。
「轟くん遅いなあ……」
さっき、轟くんからメールがあった。
『少し遅れる』
スタンプや記号を使わないところが轟くんらしいなんて思っていたけど、一体何があったんだろうか。
幸い時間はまだあるので、教室で本を読みながら待つことにした。
モテる人は違うね、告白だけでもこんなに時間がかかるとは。
相手は相当粘着質な人なのかな。
そんなやつに私の大事な友達は任せられないぞ！なんてね。
カアカアとカラスの鳴く声がする。
窓の外の景色は、夕焼けが辺りを染めていてとても綺麗だった。
あ、お母さんにメールしたほうがいいよね。
「おそくなるかも……と」
送信。
それにしても轟くん、どうしたのか。
誰かに連れ去られるなんてことは無いと思うけど。轟くん強いし。
「……でも少し心配だなぁ」
そう呟くと、誰もいない教室に私の声が響いた。
そのせいで、余計に寂しく感じる。
帰ろうかな、と思ったけど、友達一人置いていくなんて出来ないし、何があったのか聞きたいし。
私も相当粘着質なんだろうか。
もともと残りページが少なかった本を読み終え、特にすることもないな、と宙を見つめていたとき。
「……いたのか」
轟くんが帰ってきた。
「おかえりー轟くん。待ったよ〜」
明るく振る舞うと、轟くんはハアッと盛大な溜め息をついた。
どうしたのだろう。
「もしかしてお疲れかな？」
「……お疲れだよ」
「何があったのか詳しく聞かせてもらえるかい？」
「予想ついてんだろ」
「粘着質だったの？」
「……そんな感じだ」
そりゃ大変だ。
まあ轟くんイケメンだし、そうなっちゃうのも仕方ないのかもな。
「お疲れ様、早く帰ろう」
「ああ」
本と携帯をしまって、教室を出る。
日直の時より早い時間だから、空はまだ暗くない。
「轟くん、告白してきた子、可愛かった？」
「さあな」
「どんな子？」
「知らねえ」
「知らなくないでしょう、会ってきたんだから」
「知らねえって」
「……そっか。明日も晴れるね、夕焼け綺麗だし」
何があったのか。どうしてそんなに疲れているんだろうか。どうしてそんなにイライラしているのか。
聞きたいことは山ほどあったけど、あえて何も言わなかった。
「……ああ」
「あはは、轟くん疲れてるんだったら早く寝た方がいいよ。寝不足は辛いぞ」
「お前に言われたくねえし」
「なにおう！」
うん、何も探らないのが一番だ。
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長月始(プロフ) - わかりました (2017年9月2日 15時) (
レス) id: 14d941bd84 (このIDを非表示/違反報告)
ぱしゃん - 長月始さん» それでも出来ないようなら、お手数ですが、一番下の作者名のところから入ってください。すみません。 (2017年9月2日 15時) (レス) id: 4636ddc446 (このIDを非表示/違反報告)
ぱしゃん - 長月始さん» 時間を置いてからじゃないとダメみたいですね…。ぜひ時間を置いてから、3もよろしくお願いします！ (2017年9月2日 15時) (レス) id: 4636ddc446 (このIDを非表示/違反報告)
長月始(プロフ) - この小説の続きを見るを押したんですけど、続きにいかずに2に戻ってしまいました。 (2017年9月1日 21時) (レス) id: 14d941bd84 (このIDを非表示/違反報告)
ぱしゃん - 詢麻さん» ぎゃああああホントですかありがとうございますうううう禿げて倒れます(?)ありがとうございます。 (2017年8月30日 20時) (レス) id: 4636ddc446 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぱしゃん | 作成日時：2017年8月11日 11時
